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【お嫁入りの着物】として喪服は必要か?「やまなか着物新聞51号」

2013/04/27

皆さんは「喪服」という 着物を御存知ですか?

 

色は真っ黒、家紋が5つ付いている
女性が お葬式の時に着る「きもの」の事です。

 

この喪服について よくあるご質問の中に、

 

喪服は「お嫁入りの着物」として
必要なのでしょうか?

 

と いうのがあります。

 

おめでたい時に着る 訪問着や振袖と違い、
普段あまり お話する機会があまりませんので、
今回は、この喪服の必要性について
お話をさせて頂きます。

 

 

お嫁入り_360

 

 

● 喪服の現状

 

喪服について お客様にお尋ねすると、

「最近、着ないからねぇ~」

というお答えが 返ってきます。

 

確かに昔に比べると、
喪服姿の女性を お葬式で見かけることは
少なくなってきました。

 

ただ実際に「やまなか」の
お客様データを調べてみると、
未婚・既婚に関わらず、お嬢様が35歳になるまでに
65%の方が 喪服をおつくりになっています。

 

また、お母様の世代にいたっては、
9割以上の方が、
すでに喪服を お持ちになっています。

 

● 喪服をつくる3つの理由

 

昔ほど着なくなったのに、
今でも多くの方が喪服をおつくりになるのは
何故でしょうか?

 

その理由は、大きく分けて3つあります。

 

① 明日着なければいけない喪服

 

結婚式に着る 黒留袖や訪問着などは、
3~6ヶ月前には 御連絡あるので、
いま持っていなかったとしても
準備するだけの余裕が十分あります。

 

しかし、喪服については、
明日、もしくは明後日
着なければいけないというケースがあるので、
持っていないと もう間に合いません。

 

また、病人が出てからでは、
いかにも 亡くなるの待っているようで、
準備はしにくいもの。

 

そのため 喪服については、
ご家族が健康な時に、前もって
おつくりになる方が ほとんどです。

 

あと「喪服はレンタルで」
という方も おられますが、

どこの・誰が・どんな悲しい席で
着たか わからない様な「きもの」を
皆さんは 着たいと思われますか?

 

ひょっとしたら、
あなたが借りる その「貸衣装の喪服」は、
悲惨な 事件や事故で 家族が亡くなり、
遺族の方々が 泣き叫ぶ お葬式で
使われたものかもしれません。

 

これはあくまで、私の個人的な意見ですが、
「喪服の着物」を レンタルで済ますぐらいなら
ブラックフォーマルで 参列された方が
私は いいと思います。

 

喪服イラスト_450

 

② お嫁入りの道具としての喪服

 

名古屋は、皆様も御存知のとおり、
「お嫁入りのお仕度が派手」
という事で知られています。

 

そのため、昔なら嫁ぎ先のお母様に
どの着物を嫁入り道具として お持ちすれば良いか、
お伺いを立てたものです。

 

しかし、今の時代
そのような事をたずねても、
先方は、こちらに気を使い、

 

「何も持ってこなくて いいですよ。」

 

という返事しか返ってきません。

 

しかし、その言葉どおり、
何も持って行かないと、今度は、

 

「〇〇さん、
 本当に 何も持って来なかったのね・・・」

 

なんて言われたりします(汗)

 

実際に 私共のお店でも、
嫁いだ後に お姑さんから 嫌味を言われ、
しぶしぶ ご実家のお母様と
喪服を 買いに来られる方が あとを絶ちません。

 

そんな事なら 最初から言ってよ!

 

と、ツッコミを入れたくなりますが、

 

「喪服ぐらいは 何も言わなくても
 つくって来るでしょう。」

 

という意識は、今でも根強く残っています。

 

昔のように タンスに入りきらない程
着物を用意する必要は ないと思いますが、
必要最低限のお仕度は、
準備しておいた方が良いのではないでしょうか。

 

かりに、喪服を着ることが
当分なかったとしても、

 

「お嫁さんの ご実家は、
 きちんとした ご家庭なんだな」

 

ということが、先方のお母様にも
おわかり頂けると思います。

 

嫁入り道具持たず_450

今どきの「お嫁入りの着物事情」

 

③ 御守りとしての喪服

 

現在、愛知県や名古屋市内の慣習では、
喪服の家紋は 嫁ぎ先ではなく、
ご実家の家紋を入れます。

 

そしてこれには、ちゃんと意味があります。

 

喪服についている「5つの家紋」は、
ご実家の ご先祖様や、ご両親をあらわし、
嫁いでからも「御守り」として お嬢様を
悪いことから 守ってくれるというものです。

 

つまり、喪服を着るという事は、
家族の愛に守られている証であり、
日本独特の文化でもあるのです。

 

人が身につける「衣装」は
時代と共に、変化していきますが、
この喪服と 家紋に関する考え方は、
日本人として、大切にしていきたいですね。

 

 

喪服の家紋の意味380

 

以上、「喪服をつくる3つの理由」を
お話させて頂きましたが、
お葬式に参列する 一番の目的は、
亡くなられた方へ 今まで お世話になった
「感謝の想い」を お伝えする事です。

 

喪服は、家紋が5つ付いている
日本女性の第1礼装ですので、
この想いを 伝えるのに 最も適した装いです。

 

とくに、お亡くなりに なったのが、
お父様や お母様であったり、
ご主人様である場合、その想いは、
ひと言では 言い尽くせないと思います。

 

もし、喪服の着物が必要なのか
お考えになる時は、
先ほどお話した「3つの理由」以外に、
あなたなら、どんな装いで
この想いを 最愛の人に伝えるかを
考えてみてください。

 

また、「お嬢様の着物」として
お考えになる場合は、
ご自分の旅立ちの時、お嬢様には、

 

どんな想いと 装いで 見送ってもらいたいか?

 

そして、

 

日本人として、どんな女性でいてほしいか?

 

も合わせて お考えになってみて下さい。

 

 

着物新聞第51号表600

 

 

着物新聞第51号裏600

 

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