「ひいおばあ様」の振袖ふたたび
2024年12月26日
80年前の青色アンティーク振袖
きものやまなか店主の山中邦彦です。
今回は昭和初期(1930年代)につくられた貴重な振袖をご紹介させて頂きます。
昭和初期の振袖
鮮やかな青色に御所車が描かれたこの振袖は、犬山市の兼松さまよりお預かりした「ひいおばあ様」の衣装です。
兼松さまは、3年前にもこれとは違う80年前の振袖で成人式をお迎えになられました。
今回のお預かりした振袖も見事で、着用してもほとんど見えない八掛(裾まわりの裏地)にまでしっかりと絵柄が描かれています。
また近年は振袖に紋を入れることはありませんが、兼松さまの振袖には「五瓜に唐花(ごかにからはな)」の抜き紋が、五つ紋で入っています。
紋が五つ入った着物は第一礼装と呼ばれ、もっとも格が高いとされています。
きっと当時は、いろいろなお祝い事で、ひいおばあ様がお召しになられたことでしょう。
さらに振袖の下に着る長襦袢には、松竹梅のおめでたい柄が描かれ、鶴には刺繡も施されています。
昭和初期にこれだけ素晴らしい衣装がつくられていたのが、本当に驚きです。
当店では来年ご成人をお迎えになるお嬢さま用に、お直しと小物のコーディネートをさせていただきました。
とても綺麗なお嬢さまで、80年前の振袖を美しく着こなしていらっしゃいます。
帯も、ひいおばあ様の丸帯を使い、格調たかい雰囲気になりました。
そして最後には、お姉さまの時のように家族写真も撮影されています。
ちなみにお母様が着ておられる衣装は、伯母さまの黒留袖をお洋服にリメイクされたものだそうです。
着物も洋服も、昔の衣装を上手に活用されていらっしゃいますね。
とてもステキな家族写真です。
兼松さまには、今回も貴重な衣装に触れさせていただき感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
ママ振り専門店「きものやまなか」
「きものやまなか」では、今回ご紹介した兼松さまのように美しく甦らせます。
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