よみがえる「ひいおばあ様」の引き振袖
2022年04月06日
昭和初期(84年前)の黒引き振袖
きものやまなか店主の山中邦彦です。
当店では毎年200枚以上のママ振りをアレンジしておりますが、年代としては20~40年前までの着物がほとんど。
しかし、今回ご紹介させていただく兼松さまからご依頼品は、84年前の昭和13年(1938年)に、ひいおばあ様が結婚式で着用された「引き振袖」です。
引き振袖とは?
引き振袖とは、結婚式で花嫁が着用する日本の伝統的な婚礼衣装です。江戸時代から続く伝統があり、通常の振袖より裾が長く、床を引くようにして着ることが「引き振袖」の名前の由来となっています。
この時代ですと、二十歳で振袖を着てお祝いをする「現代の成人式」の習慣は定着していません。
ただ、由緒あるご家庭では、婚礼の儀式で新郎は羽織はかま、新婦は立派な引き振袖に身をつつみ結婚式をとり行いました。
ひいおばあ様の結婚式
こちらが兼松さまからお借りした当時の写真です。
今から84年も前ですので、もはや思い出の品というより、当時のことを知る事ができる貴重な資料ですね。
昭和初期にこれだけの衣裳で写真撮影されたということは、ご両家が立派なお家柄だったことが、よくわかります。
そして、この引き振袖は兼松さまのお母さまも、結婚式の二次会で着用されました。
結婚式に二次会にて
ご主人様と一緒に
婚礼にふさわしい立派な鶴の柄が描かれていますが、カラーになると見事な衣裳であることが、さらにおわかり頂けると思います。
お母さまの立場からしても「おばあ様の婚礼衣裳」になるわけですから、長い歴史と思い出が刻まれた貴重な御品です。
黒引き振袖のコーディネート
そして今回、お嬢さまの美羽(みう)様が、成人式でふたたびこの引き振袖をお召しになりました。
「やまなか」がこれまで手がけた中で、もっとも古く、四世代に渡り受け継がれた衣裳の仕上がりはこんな感じです。
引き振袖の帯結び
「ため息がでるほど美しい」とは、まさにこのこと。
まるで本物の花嫁さまのようです。
もし、ひいおばあ様が、ひ孫様のこの姿をご覧になっていたら、何とおっしゃったでしょう。
私にとりましても貴重な着物にふれる機会をいただき、たいへん勉強になりました。
ご縁を頂きました兼松さまに感謝申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
今回は84年の時を経てよみがえった兼松さまの「引き振袖」を、ご紹介させて頂きました。
兼松さま 家族写真
後日追記 2025年12月
お姉さまの成人式から3年後、制服を着ておられる妹さまも御成人をお迎えになり、これとは違う青色の振袖を着用されました。ぜひそちらの記事もご覧ください。
おすすめ写真館
今回ご紹介した兼松さまの撮影は「きものやまなか」の提携フォトスタジオ 創寫舘(そうしゃかん)鶴舞本店さまにて行われました。
撮影だけでなく、お嬢さま・お母さまの着付け・ヘアセットメイクにいたるまで、全てこちらの写真館でお願いしております。
古い着物の着付けにも対応してもらえ、兼松さまのような美しい写真に仕上がります。
もし、ママ振りの前撮りを検討されている方は、ぜひご利用ください。
創寫舘 鶴舞本店 | |
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住 所 | 名古屋市中区千代田3-8-9 |
営業時間 | 平日 10時~18時
土日祝 9時~18時 |
定休日 | 火曜・水曜(祝日は営業) |
TEL | 052-322-0008 |
HP | 創寫館 鶴舞本店 |
こちらの写真は「きものやまなか」にて、ママ振リメイクをして、鶴舞本店にて撮影されたお客さまです。
ママ振り専門店「きものやまなか」
ママ振袖のことなら「きものやまなか」にお任せください。
今回ご紹介した兼松さまのように美しく甦らせます。
詳しくは下記ページをご覧ください。