振袖を着る機会
2023年08月27日
振袖を着る事ができる シチュエーションとは?
きものやまなか店主の山中邦彦です。
振袖の購入を検討する際 気になるのが、振袖はどれくらい着る機会があるの? という点です。
せっかく購入しても 成人式の1回きりなら、どんなにお値打ちだったとしても、もったいないですよね。
一般的に言われている着用機会は、次のような場です。
- 成人式
- 卒業式の袴姿
- 結納・顔合わせ
- 家族・親戚・友人の結婚式
- お色直しの衣装
- パーティー・謝恩会
- 茶道(初釜)華道(作品展)琴(発表会)などのお稽古ごと
以前より このブログでご紹介しているとおり、卒業式の袴に合わせて振袖を着用される方が、たくさんおられます。
【振袖に袴を合わされた お客様の御紹介】
⇒ 安藤 美文さま
⇒ 吉川 幸里さま
⇒ 小松 明日香さま
⇒ 入谷 有紀さま
⇒ 蟹江 里奈さま
⇒ 西原 梨紗さま
また、名古屋市内の多くの私立女子校では、成人式が開催される前の 1月3・4日に同窓会をかねた「振袖会」が開催され、すべてのお嬢様が振袖を着てご出席されます。
このように振袖は、未婚女性の第一礼装(もっとも 格が高い装い)として、ご友人やご親戚の結婚式など、お嬢様が ご結婚されるまで 多くのフォーマルな場所で 着ることができ、中には お嬢様ご自身の披露宴のとき、お色直しの衣装として ご使用になるお客様もいらっしゃいます。
⇒ 梅村 和子さま
しかし その一方で、お母様同士で 振袖の着用機会の話題になった時、
「振袖って、最近着ないよね~」
「私の娘、振袖は成人式の一回きりよ。」
「披露宴でも、昔みたいに振袖すがたの お嬢さんって少ないわね。」
というような話も聞きませんか?
本当のところ、どうなのでしょう。
まず 呉服屋として正直に申し上げると、残念ではございますが、たしかにその傾向はございます。結婚式でも 振袖姿の女性を見ることは、以前より 少なくなりました。
ではその原因ですが「着物離れ」というのも 一つの要因としてあります。
しかし、振袖姿の女性を 成人式以外で あまり見かけなくなった 一番の理由は、成人式における振袖のレンタル化 です。
お母様の時代、振袖を用意するには 新しく購入される方が一番多かったわけですが、今の時代 振袖の準備方法は レンタル(貸衣装)が主流になってきています。
地域によっても違いますが、振袖を着ている方の半分以上、会場によっては 6割以上がレンタルで振袖を ご準備されています。
「ママの振袖を着る方が増えている」と、このブログでは お伝えしていますが、それでも レンタルの比率には及びません。
これは、レンタルが持っている手軽さが お着物の知識がない お客様にとって とても魅力的だからなのですが、その場合 数年後にご友人やご親戚の結婚式などで 着る機会が発生しても、振袖は返却してしまっているため、「きもの」を着ることはできません。
もちろん、その時もレンタルすれば 振袖を着る事ができますが、実際それだけのために 借りる方は ほとんどおらず、ドレスなどの洋服で御出席されます。
つまり、先程のような会話になるのも「振袖の着用機会が 少なくなってきている」というより「ご自分の振袖を持っている方が 少なくなってきている」と 言えるでしょう。
では レンタルではなく、振袖を 新たに購入された方は どうされるのかというと、以前と同様 何度も振袖を着用されます。
例えば、振袖レンタルを取り扱っていない「きものやまなか」のお客様ですと、少ない方でも 4~5回、多い方で20回以上。 平均すると 7~8回、ご結婚されるまでに 振袖を着用されます。
とくに最近は晩婚化が進み、10年前と比べ さらに増えている感覚さえいたします。
そして何度も振袖を着用されるお嬢様には、ある共通した特徴があります。
それは、お嬢様が その振袖をとても気に入っている という点です。
もし、振袖の購入を検討する際「成人式以外に着る機会ってあるかしら?」と お悩みなら、着用の頻度を考えるより、まず お嬢様の気に入った一枚を一緒に選んであげて下さい。
そうすれば、黙っていても お嬢様が自ら進んで着用機会は おつくりになり、成人式の一回きりなんて事は ありません。
そして、その美しい振袖すがたを御覧になった 招待者の方々には とても感謝され、とくに披露宴では 会場がとても華やかになり、新郎・新婦さまにも たいへん喜んで頂いた という話をよくお聞きします。
また、お母様にとっても お嬢様の振袖姿を 何度も御覧になるのは、きっと嬉しいはずです。
本日 ご紹介するお客様 山本 真由美さま も、お下見の際は、お嬢様の 恵里さま の お気持ちを一番にお考えになり、振袖を お選びになりました。
小柄な お嬢様でしたので、柄も小さめの 可愛いピンク色を お探しでした。
私も一生懸命、お見立てさせて頂きましたが、お嬢様にとって 心から気に入った一枚が 見つかった時は、こんな素敵な笑顔になります。
そして、これからも たくさん着てもらえるでしょう。
唯一 心配なのは「こんなに可愛いお嬢様なので、すぐ御結婚されてしまうのでは」という事ぐらいです。
平成28年 1月 御成人 山本 恵里さま