お宮参り着物は父方・母方どちらの家紋を入れる?
2024年10月25日
男の子は父方の家紋・女の子は入れません
きものやまなか店主の山中邦彦です。
お宮参りの赤ちゃんの着物には、男の子は父方の家紋を入れ、女の子には基本的に入れません。
今回のお宮参り産着の家紋についてくわしく解説します。
男の子の産着には父方の家紋をいれます
男の子のお宮参りの産着を購入した際、赤ちゃんの名前が「山田太郎くん」でしたら、通常は「山田家の家紋」つまり父方の家紋を入れます。
(赤ちゃんのお父さまが、婿養子の場合は「母方の家紋」となります)
また、母方でその産着を購入されたとしても、入れるのは基本的に「父方の家紋」です。
家紋の入れ方と位置・数・色は?
家紋をいれる位置については、前は胸の位置に2つ、後ろは背中に1つ・袖に2つ、合計5つの家紋をいれます。
紋の入れ方については、かりに紋の種類が「違い鷹の羽」でしたら、丸で囲み、摺り込み(すりこみ)紋という技法で入れるのが一般的です。
また色については、下の写真のように白色で入れることが多いです。
ただ着物の地色が淡い場合は、白で入れると見えないため、黒・紺・グリーン・金色などの濃い目の色で家紋を入れます。
金色の家紋(丸に剣片喰)
また上の写真のような金色の紋は、地色が黒・紺など濃い色の産着にも入れることが出来ます。
このように「男の子の産着」には必ず家紋を入れますので、写真のように紋をいれる位置に、柄が入らないようデザインされています。
男の子の産着をレンタルしたら家紋はどうする?
では、男の子の産着をレンタル(貸衣装)にした場合、家紋はどうなるのでしょうか?
この場合3つのパターンにわかれます。
① 家紋を入れず、そのまま着せる
本来、男の子のお祝い着には家紋をいれますが、最近は若い方を中心に、この「昔ながらの慣習」にこだわらないお客さまも増えてきました。
そのため、産着のレンタルを取り扱う貸衣装店やネットショップでは、家紋を入れず、そのまま貸し出すことがあります。
② 家紋がすでに入っている
もう一つのパターンとして「違い鷹の羽」「剣片喰」など、男の子らしく、よく使われる紋を、すでに入れてレンタルしている貸衣装店や楽天ショップもあります。
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お家の紋とは違うかもしれませんが「男の子なので、見栄えのする家紋入りの産着を着せてあげたい」とお考えの方は、利用してみてはいかがでしょうか。
③ 貼り紋シールを使う
「貼り紋」とは、シールのように簡単に貼ることができる紋です。
楽天などのネットショップから、ご自分のお家の紋をカンタンに注文することができます。
そのため、産着に違う紋が入っていても、その上から貼るだけですので、とても便利です。
家紋なし・家紋違いで気をつける事
ただ、この男の子のレンタル品の家紋について、1点だけ気をつけて頂きたい事があります。
レンタル品を利用されるのは若い世代の方に多いのですが、お宮参りの当日、何も知らされていない、おじい様・おばあ様がその祝い着をご覧になった際、
「男の子なのに家紋が入ってないじゃないか?」
「うちの家紋と違うじゃないか?」
と、ご不満をもらすケースがあります。
くり返しになりますが、本来「男の子の祝い着」には、そのお家の紋を入れるのが決まりです。
当店でも、男の子のお祝い着をお買い上げいただいた際は、皆様かならず正式な家紋を入れます。
そのため、昔ながらの慣習にこだわりがない祖父母さまだったり、若ご夫婦だけでお宮参りをされるなら構いませんが、きちんとしたお考えをお持ちの祖父母さまがいらっしゃるようでしたら、貼り紋でいいので、かならず正しい家紋を入れた産着で、お宮参りをされることをおすすめします。
もし、貼り紋(シールのように貼りつけるだけの紋)をご用意されたい方は、楽天などのネットショップで早ければ3日程でお手元に届きますので、こちらのリンクでチェックしてみて下さい。
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女の子のお祝着には家紋は入れません
いっぽう、女の子の産着には基本的に家紋は入れません。
当店でも、女の子の産着に家紋を入れたのは、ここ10年で一度もなかったように思います。
また、メーカー側も女の子については、紋を入れる事を想定しないデザインで制作することが多く、かりに紋を入れようとしても、写真のように紋を入れる位置に柄が描いてあることがあります。(すべてのデザインが、こうなるわけではありません)
あと女の子の場合、産着を購入したら家紋を入れないため、親戚・知人同士で貸し借りがしやすいというメリットもあります。
ただ一部の地域では、今でも「一つ紋」を入れるところもあるようですので、詳しくはお住まいの地域の呉服屋さんに問い合わせてみて下さい。
また、昔は女の子でも家紋を入れる事があり、20年以上前の女の子の産着をクリーニングでお預かりした際は「一つ紋」「三つ紋」「五つ紋」入りの祝い着を、たまに目にします。
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