お宮参り着物は父方・母方どちらの家紋を入れる?
2026年04月03日

男の子は父方の家紋・女の子は入れません
きものやまなか店主の山中邦彦です。
お宮参りの着物には、男の子の場合は父方の家紋を5つ入れ、女の子は基本的に入れません。
ただ、現代のお宮参りでは家紋を入れないケースも増えており、入れる・入れないの判断基準について解説します。
| 産着の家紋「男女の比較表」 | ||
|---|---|---|
| 男の子 | 女の子 | |
| 紋の有無 | 入れる | 基本的に入れない |
| 紋の種類 | 父方の家紋 | (入れる場合)
母方の実家の家紋など |
| 紋の数 | 5つ紋 | (入れる場合)
1つ紋 |
| レンタル | 貼り紋で対応 | そのまま着用 |
文字を読むのが大変なかたは、こちらの動画(約8分)でわかりやすく解説しています。
男の子の産着には父方の家紋を入れます
男の子の家紋 基本ルール
男の子の産着を購入した際、赤ちゃんの名前が「山田太郎くん」なら「山田家の紋」つまり父方の家紋(男紋)を入れます。
また、母方でその産着を購入したとしても、入れるのは「父方の家紋」です。
この慣習については、関東・関西とも基本的に同じです。
(※父親が婿養子なら、母方の家紋になります)
男の子の産着はどちらが買うのか?

家紋の位置・数・色
家紋の位置は、前は胸の位置に2つ、後ろは背中に1つ・袖に2つ、合計5つの家紋を入れます。
入れ方については、たとえば紋が「違い鷹の羽」でしたら、丸で囲み、摺り込み紋(すりこみもん)という技法で入れます。
色については、下の写真のような白が一般的です。

ただし、着物の色がうすい場合は、白で入れると見えないため、濃い色(黒・紺・グリーン・金色など)で家紋を入れます。

金色の家紋「丸に剣片喰」
金色は地色が、黒・紺・グレーなど濃い色の産着にも入れることが出来ます。

グレーの産着に金色で入れた「丸に三つ柏」

このように男の子の産着には家紋を入れますので、写真のように紋を入れる位置に、柄が入らないようデザインされています。
家紋入れ料金と納期
家紋入れの料金と納期ですが当店ですと下記のようになります。
家紋入れには時間がかかりますので、男の子の産着を購入する際は、早めに注文する必要があります。
| 男の子5つ紋料金 | 13,000円(税込) |
|---|---|
| 納期 | 3週間 |
| 備考 | めずらしい家紋の場合は、いちから型紙をつくる必要があり、納期は4週間となります。 |
【レンタル派】家紋はどうする?3つの方法
最近はレンタルの方も増えていますが「やまなか」では以下の点に気をつけてアドバイスしています。
男の子レンタル品の家紋対応は、おもに次の3つです。
① 家紋を入れずに着せる
② 家紋がすでに入っている
③ 家紋シールを使う
① 家紋を入れずに着せる
本来、男の子の祝い着には家紋を入れますが、最近は若い方を中心に「昔ながらの慣習」にこだわらないお客さまも増えてきました。
そのため、レンタル店や貸衣装のネットショップでは、家紋を入れず、そのまま貸し出すことがあります。
② 家紋がすでに入っている

2つ目のパターンとして「違い鷹の羽」「剣片喰」など、男の子らしくよく使われる紋を、すでに入れてレンタルしている貸衣装店・楽天ショップもあります。
家の紋とは違うかもしれませんが「男の子なので見栄えのする家紋入りの産着を着せてあげたい」とお考えの方は、利用してみてはいかがでしょうか。
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③ 家紋シール(貼り付け紋)を使う
「家紋シール」とは、シールのように貼ることができる紋です。
ちがう紋が入っていても、希望の紋を上から貼れるので簡単に対応できます。
楽天などのネットショップから注文することができます。
家紋がない・家紋が違うケースでの注意点
「家紋がない」「家紋が違う」産着を使うとき、1点だけ気をつけて頂きたい事があります。
レンタルを利用されるのは若い世代に多いのですが、宮参りの当日、何も知らされていない祖父母さまが、その産着をご覧になった際、
「男の子なのに家紋が入ってないじゃないか?」
「うちの家紋と違うじゃないか?」
と、ご不満をもらすケースがあります。
くり返しになりますが、本来「男の子の祝い着」には、その家の紋を入れるのが決まりです。
当店でも男の子の産着をお買い上げいただいたお客さまは、皆さま正式な家紋をお入れになります。
慣習にこだわりがないご家庭や、若夫婦だけで宮参りをされるなら構いませんが、しきたりを大切にされる祖父母さまもいらっしゃいますので、事前に相談しておくと安心です。
もし「家紋がない」「家紋が違う」場合は、楽天で「家紋シール」を取り寄せ、準備をしておきましょう。早ければ3日で届きます。
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家紋の入れ替え
親戚や知人からゆずりうけた産着が、家の紋と違う時は入れ替えることもできます。
ただ、この作業は時間がかかり、お願いできるお店も少ないため、早めに当店のような専門店にお願いすることが大切です。
また、古い着物で生地が弱っているケースでは、入れ替えができないこともあります。
| 家紋入れ替え料金 | |
|---|---|
| 産着5つ紋入れ替え | 30,000円(税込) |
| 納期 | 60日 |
家紋の調べ方

それでは、産着に入れる正式な家紋がわからない時はどうすれば良いでしょうか?
一般的に父方の祖父母さまに聞けば、ご存じなケースがほとんどですが、まれにご存じなかったり、他界されていることもあります。
そんな時は、お墓・仏壇・盆提灯に、その家の紋が入っていることが多いですので、チェックしてみて下さい。
さらに、その家に男性用の黒紋付の羽織や着物があるようでしたら、胸や背中にその家の紋が入っているはずです。
ただ、女性用の着物(黒留袖・喪服など)の紋は、その家の紋ではなく、その女性の実家の紋(おばあ様の実家の紋)のことも多いので注意が必要です。
代表的な家紋「20選」

こちらが、男の子の産着によく入れる代表的な家紋20選です。
日本の家紋には数千の種類がありますが、よく使われる代表的なものは限られています。
ちなみに「きものやまなか」のケースですと、約50%のお客様が上記の家紋のどれかをお入れになります。
画像の中に、ご自身の家紋があるか確認してみてください。
AIでつくったオリジナル家紋を着物に入れることはできる?
あと最近、若い世代のお客様より「AIでつくったオリジナルの家紋を入れる事はできますか?」というお問合せをお受けすることもあります。

① AIで作成した竜の家紋

② AIで作成した藤の家紋
ちなみに、こちらが私がAIで作成したオリジナルの家紋です。
つくり方も簡単で、AIにプロンプトと呼ばれる指示文を入れるだけで、一瞬ででき上がります。(今回はGeminiを使用)
世界で一つだけの家紋で、とてもお洒落なデザインに見えますね。
しかし残念ながら、この2つは着物に入れることができません。
なぜなら、伝統的な家紋の基本構図やルールを無視しており、産着に入れる「摺り込み紋」の型紙をつくることが出来ないからです。
① 細かすぎて型紙が作れない。
② 丸で囲むという従来の構図を無視している。
つまり、デジタル上どれだけお洒落な紋をつくっても、最終的には職人さんに手作業で入れてもらう必要があるため、その条件を無視して作ったAIの家紋は、入れることが難しいのです。
また、AIに対して「シンプル・丸で囲む」などといった様式を細かく指定すれば、型紙化に対応できるデザインが生成される可能性はありますが、それでも従来の構図やルールにあわない家紋が作られることが多く、手間とコストを理由に、お店側や職人さんに断られることがあります。
このように、日本の伝統文化としての家紋には、上記の「代表な家紋20選」を見て分かるとおり、次の世代へ受け継いでいくための「シンプルさ」が必要です。
若い世代の方が「お洒落なオリジナル家紋で」と希望されるお気持ちはよく分かりますが、「この紋は代々受け継ぐことができるか?」という点からも考えてみてください。
また、「紋を入れたいが、どうしても家の紋がわからない」というときは、「代表的な紋」以外にも様々な家紋がありますので、お店の方に相談し、その中からお入れすることをおすすめします。
女の子の産着に家紋は入れません
女の子の家紋 基本ルール
いっぽう女の子の産着には、基本的に家紋は入れません。
メーカーも女の子については、紋を入れることを想定しないデザインで制作することが多く、紋を入れようとしても、写真のように紋を入れる位置に柄が描いてあることがあります。(すべてのデザインが、こうなるわけではありません)

女の子は家紋を入れないため、親戚・知人同士で貸し借りがしやすいというメリットもあります。

女の子の産着はどちらが買うの?

女の子の産着に家紋を入れる場合
女の子でも「格調たかい雰囲気で宮参りをしたい」と希望される方もいます。
そんな時は、写真のように背中に「一つ紋」を入れてあげると、着物の格が上がり、よりフォーマルな印象になります。


家紋の色は、写真のような「白」が上品ですが、うすい色の着物ですと見えませんので、赤やピンクなど女の子らしい色で家紋を入れることもあります。
紋の大きさも、男の子にくらべると小さめです。(大人の女性用着物とほぼ同じ)
また、女の子には父方・母方どちらの紋を入れるかですが、これについて決まりはありません。
ご親族でお話し合いのうえ、お決めください。
ちなみに当店では、どちらかというと女紋とよばれる「母方の実家の紋」を入れることが多いです。(とくに関西のお客さま)
女の子の家紋については以上ですが、昔は女の子も家紋を入れることがあり、20年以上前の女の子の産着をクリーニングでお預かりした際は「一つ紋」「三つ紋」「五つ紋」入りの祝い着を、たまに目にします。
家紋についてよくある質問 Q&A
男の子の産着には、必ず家紋を入れなければなりませんか?
- 必ずということはありません。当店でも、
- ・「宮参りが3日後なので時間がない」
- ・「紋を入れない方がいい柄なので入れない」
- ・「子供(孫)には慣習にしばられない自由な生き方をしてほしい」
- などの理由で、男の子でも家紋を入れないお客さまは年に2~3名おられます。
- ご両家が納得の上でしたら、とくに問題ありません。
父方が婿養子(むこようし)の場合、どちらの家紋になりますか?
赤ちゃんの父親が婿養子の場合は「母方の家紋」になります。
赤ちゃんの苗字の家の紋を入れます。
「女紋(おんなもん)」とは何ですか?
母から娘、さらに孫へ、女性だけで受け継がれる紋のこと。
実家の血筋を大切にする文化で、女の子の産着に入れる場合があります。
ゆずり受けた産着の家紋が自分の家と違うのですが、どうすればいいですか?
- 対応策は2つあります。
- 一つは「家紋の入れ替え」を専門店に依頼することです。
- ただし、加工に約2ヶ月ほどかかるため早めの準備が必要です。
もう一つは、より手軽な「貼り紋(家紋シール)」を上から貼る方法です。 - 数日で準備でき、費用も抑えることができます。
レンタル衣装に自分の家の紋が入っていない場合、失礼になりませんか?
女の子は、もともと家紋を入れませんので問題ありません。
男の子について最近は「家紋なし」でレンタルされる方も増えており、マナー違反とまでは言われません。
しかし、しきたりを重んじる親族がいらっしゃる場合は「貼り紋(家紋シール)」の利用がおすすめです。
数千円で用意でき、自分の家の紋を正しく付けてお参りできるため、安心感です。
レンタル衣装に家の紋をつけることはできますか?
「家紋シール」と使えば、カンタンにつけることができます。
ただ、返却の際はシールをはがすことを忘れないようにして下さい。
すぐ剥がせば、跡がつくこともありません。
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