振袖はレンタル・購入・ママ振袖どれが一番おトク?
2024年08月19日
レンタル・購入・ママ振り「長所と短所」の徹底比較!
きものやまなか店主の山中邦彦です。
振袖の準備方法には、レンタル・購入・ママ振りの3つがあります。
ただ、はじめて成人式を迎える方には、どの方法が自分に合っているか分からないですよね。
今回はそんな方のために、レンタル・購入・ママ振袖の長所と短所を解説します。
振袖準備の比較表 | |||
---|---|---|---|
レンタル | 購入 | ママ振り | |
費用 | 15~20万 | 40~50万 | 12~15万 |
割合 | 50% | 20% | 20% |
サイズ | △ | ○ | 身長差次第 |
柄かぶり | ✕ | △ | ○ |
手入れ
保管 |
必要なし | 必要 | 必要 |
レンタルの長所と短所
長 所
- 購入よりお安くすむ。
- 保管の必要がない。
- クリーニングなどの手入れが不要。
- 写真や着付けがセットになっている事が多く、手間がかからない。
短 所
- 購入品と比べると品質は落ちる。
- サイズがピッタリではないことがある。
- レンタル期間を過ぎると振袖を着ることができない。
- 同じ振袖とカブる可能性が3つの準備方法の中で一番高い。
レンタルの特色
レンタルは現在、購入・レンタル・ママ振りの中で、一番多い準備方法となりました。
その割合ですが、全国平均で5~6割、東京や大阪などの都心部では7割と、さらに高い比率となっています。
そしてその人気の理由は、手入れや保管の必要がない手軽さ。
とくに「着物をたためない」「和服に興味がない」「振袖を着るのは成人式の一回限り」というお考えの方は、レンタルをお選びになることが多いようです。
価格については平均すると購入よりお安く済みますが、レンタルであっても新作ブランド品なら、セット価格で30~50万位になるケースもあり、レンタルの方が必ずお安く済むわけではありません。
またサイズについては、身長が150cm以下・170cm以上・ふくよかな方だと選択肢が少なく、時期やお店によっては商品を置いていないケースもあります。
購入の長所と短所
長 所
- 高級感あふれる逸品物を選ぶ事ができる。
- ご自分のピッタリサイズに仕上がってくる。
- 成人式が終わっても着ることができる。(卒業式・結婚式などに)
- 将来だれかに着てもらうことができる。(妹・親戚・娘さまのお子様)
短 所
- 保管場所が必要。
- 着用後のお手入れが必要。
- 逸品物の手の込んだ振袖になると高額になる。
購入の特色
お母様の時代は購入の方ばかりでしたが、近年その割合はレンタルなどに押され、全体の2~3割にまで減少してきています。
ただ、お嬢さまが茶道・華道・日本舞踊などの習い事をしていたり、和の文化への関心が高いご家庭では、今でも購入される割合が高くなっています。
また最近は、購入品フルセットをレンタルと同じぐらいの価格帯(20~30万円)で提供している振袖ショップもあるため、ご予算がない方でも購入しやすくなっています。
ママ振袖の長所と短所
長 所
- 手持ちの振袖を使うので、お安く済む。
- 母親の時代の振袖は高品質なものが多い。
- 新しく買うわけではないので、着物の数は増えない。
- 娘さま用に直してしまえば、成人式以外でも着ることができる。
- 友達の振袖とカブる可能性が3つの準備方法の中でいちばん低い。
- おばあ様・お母様・娘様と親子3代に渡り思い出を共有する事ができる。
短 所
- 古いので汚れがついていることが多い。
- 親子で身長が違う場合はサイズ直しが必要。
- 汚れが酷かったりサイズが大きく違う場合は、お直し代が高額になる。
- そのまま着ると古い感じになってしまうので、帯や小物を新しくする必要がある。
- ママ振りが家にない(母親もレンタル・紛失した)場合、この方法は不可。
ママ振袖の特色
母親の振袖をアレンジして着る方法は、ここ最近ブームになっており、レンタルには及びませんが、会場によっては購入より多くなってきています。
ただ、この準備をするには、染み抜き・サイズ直し・小物のアレンジなど、専門的な知識やコーディネイトセンスが必要ですので、きちんと相談にのってもらえお店を探すことが大切です。
さて以上が「レンタル・購入・ママ振り」の3つの準備方法別のメリットとデメリットですが、お分かり頂けたでしょうか?
しかし 振袖選びについては、その方のご予算・ご準備の手間などによって変わってきますので、その項目別により掘り下げて比較してみたいと思います。
お安くすむのはママ振り
まず ご予算について 平均価格が高額な順番にいうと下記のようになります。
高 額
↑
① 購入
② レンタル
③ ママ振り
↓
お値打ち
そのため、費用をできるだけ抑えたい場合は、ママ振りかレンタルが良いでしょう。
いっぽう比較的ご予算に余裕があり、娘さまに誰も着ていない逸品ものをお着せしてあげたいとお考えの方は、新作の購入をおすすめします。
ただ、この価格については、上記のブログ記事で解説しているとおり、最近は購入品であっても 20万円を切る「お値打ちなセット商品」があり、貸衣装であってもセットで30~50万円もするの高額なブランド品も出てきたため、価格に関しては昔ほどレンタルと購入の差がなくなってきました。
また「ママ振り」に関しても、汚れが酷かったり、お母様とのサイズが大幅に違う場合は、お直しの費用が思いのほか高額になるケースもあります。
そのため、お客様によっては 上限のご予算だけを先に決め、お下見に行ったとき「レンタル」か「購入」かを お決めになる方も 増えているようです。(大手の呉服店・貸衣装店ではレンタルと購入の両方を取り扱っているお店がほとんどです。)
そして「レンタル」と「購入」の価格の差があまりなくなってきたという事で、どちらにするか一番大切なポイントは「成人式以外でどれだけ振袖を着る可能性があるか?」という点です。
どんな高額な振袖を購入しても、何回も着ればじゅうぶん元をとる事はできますし、どんなに気に入った振袖だったとしても、レンタルにしてしまうと、成人式の1回きりです。
この点はご家庭によって様々ですので、メリットとデメリットを比較しながら、じっくり検討してみて下さい。
手間がかからないのはレンタル
最近は昔ほど和服に接することが少なくなり、お着物をたためなかったり、和服にご興味がないご家庭も増えてきました。
しかし振袖をいざ成人式となると、振袖選びから購入後のメンテナンスまで和服の管理には手間がかかります。
このメンテナンスや準備に手間がかかる順に申し上げると、こちらのようになります。
手間がかかる
↑
① ママ振り
② 購入
③ レンタル
↓
手間がかからない
レンタルの場合、着用後はお店に返却するだけですので、お手入れや保管の必要ない事は言うまでもありません。
当日の着付け・前撮りもセットになっていることが多く、3つの中で一番ラクです。
もし このブログをご覧の方で「準備の手間をできるだけ少なくしたい」とお考えの方にはレンタルが一番おすすめです。
いっぽう購入やママ振りは、成人式が終わった後も着用できるというメリットがある反面、クリーニングなどのお手入れが必要ですので、契約前にそのお店のアフターサービスが充実しているかを確認しておきましょう。
とくにママ振袖に関しては「思い出の振袖が甦る」という感動がある反面、着用前にもサイズ直しや染み抜きが必要なことが多く、3つの準備方法の中では一番手間がかかります。
友達とガブらないのは?
さて、成人式を迎えるお嬢さまの要望で、一番多いのは何かわかりますか?
それは「友達の振袖とカブりたくない」です。
同色・同柄の振袖はもちろんのこと、似た感じの振袖でもイヤなようで、このご希望は近年ダントツに多いです。
これについて、友達や同じ会場の方とカブる可能性が高い順に申し上げると、こうなります。
カブる可能性が高い
↑
① レンタル
② 購入
③ ママ振り
↓
カブる可能性が低い
私も毎年、全てのお客様から成人式の感想を伺いますが、
「友達の○○ちゃんと△△ちゃんの振袖が同じだったの~」
というお話しを必ずお聞きします。
その時の友達の振袖はレンタルであることが多く、振袖すがたの新成人が多い会場ほど、その確率が高まります。
いっぽうママ振りに関しては、私も毎年200枚以上取り扱っておりますが、会場で同じ振袖と鉢合わせになってしまったという話は、ほとんど聞いた事がありません。
この「他の人とカブる可能性がほとんどない」という点も、近年ママ振袖を選ぶ方が増えている大きな理由の一つです。
さて以上が、購入・レンタル・ママ振の比較でしたが、おわかり頂けたでしょうか?
成人式の振袖選びでは、色や柄選び・お店選びの他にも、どの準備方法をお選びになるかがとても大切なポイントになりますので、お母様とお嬢様でよく相談してみて下さい。
それでは皆さん、一生に一度の振袖選び かんばって下さいね!