こんなお店で「ママ振袖の相談」をしてはいけない!
2024年08月16日
ママ振りで後悔するお店「6つの特徴」
きものやまなか店主の山中邦彦です。
最近の成人式ではママ振りがブームとなっていますが、いっぽうで「こんなお店で相談するんじゃなかった…」と後悔する方があとを絶ちません。
今回はママ振り専門店として、ママ振りの相談をしてはいけないお店6つの特徴を解説します。
①新しい帯を勧めてくる
まず一番多いのが、
「この帯は古いので短くて結べません。新しい帯に変えましょう!」
などと言って、新しい帯をすすめてくるケースです。
なぜこの特徴を最初に挙げたかというと、ここ数年「他の店で帯が短いと言われたので、本当に結べないか見てほしい」という相談がとても増えているからです。
そして実際に測ってみると、長さも十分あり、素晴らしい帯ばかりで、まったく変える必要がないケースがほとんど。
たしかに母親世代の帯は最近の帯と比べ短かったり、固くて結びにくい傾向はあります。
しかし短すぎて結べないというケースは、当店でも年間200件の相談の中でも5件程度です。
またその5件も、お嬢さまがとてもふくよかであったり、帯が40年以上前の「おばあ様の丸帯」だったなどレアケースばかり。
通常、30年以内に購入した袋帯で娘さまが普通体型でしたら、帯が短かくて結べないことはほとんどありません。
もし店員が、帯の長さを測りもせず、こちらの要望を聞きもせず、いきなり新しい帯をすすめてきたら、頭の中はきっと「帯を買わせて売上を上げる」ということで一杯でしょう。
とくにこの特徴は、某ショッピングセンターに入っている呉服チェーン店で相談された方からダントツに多く、同じ呉服屋として呆れるばかりです。
②購入やレンタルをすすめてくる
これも①と同様、せっかくママ振りの相談でお店を訪れたのに「この汚れはもう落ちません」「サイズも直りません」などと、色々な理由をつけ、購入やレンタルを勧めてくるケースです。
たしかにママ振りの汚れは古いため、100%キレイに落とすことは難しいこともあります。
ただ5割落とすだけでも、よごれは目立たなくなり、着用してもそれほど気になりません。
また、サイズ直しも費用はかかりますが、ほとんどのケースで直すことは可能で、当店でも身長差10cm以上のサイズ直しを年間20件以上取り扱っております。
つまり、お値打ちに済むママ振りより、単価が高くなる購入やレンタルを、お店側が契約したいだけなのです。
③契約を急がせる
先日も成人式まで1年以上あるのに「早く準備しないと成人式に間に合いませんよ」と、某振袖ショップの店員から言われ、それは本当なのか教えてほしい、という問い合わせがありました。
ママ振りを利用する際は、染み抜き・サイズ直しなどのお手入れが必要で、早めに準備を始めることは大切です。
しかし、1年以上前に準備を開始しないと成人式に間に合わないというのはウソです。
たとえば、参考までに「きものやまなか」でのお直し期間は下記のようになっております。
内容 | 期間 |
---|---|
丸洗い | 約2ヶ月 |
丸洗い + しみ抜き | 約3ヶ月 |
部分サイズ直し | 約2ヶ月 |
仕立て直し | 約4ヶ月 |
こちらは当店のものですが、どの店でもお直しにかかる期間はそれほど変わりませんし、もっと短い納期で仕上げてくれるお店もあります。
つまり、夏ごろに準備を始めたとしても、成人式には十分間に合いますし、あまりおススメはしませんが、成人式の1~2ヵ月前になってあわててご来店されるお客様も毎年います。
(ただし、汚れが酷かったり仕立て直しが必要な場合は、1~2ヵ月では間に合いません)
ではどうして、そのようなウソを平気で言うのかというと、振袖という和服は1人のお嬢さまに1枚しか必要ありませんので、他店で契約されてしまうと、もうそのお客さまからの売上げは見込めなくなります。
そのため
「他の方は、みんな1年以上前に決めてますよ!」
「まだ準備していないんですか?間に合いませんよ!」
などと、一般の方が和服についての知識がないのをいいことに、半分脅しにようなセールストークで、無理やりにでも契約させようとします。
とくに、このようなセールストークを訪問・電話営業までして話してくるお店とは、ママ振りに限らず、購入・レンタルにおいても契約されない方がいいでしょう。
④ 染み抜き・サイズ直しの知識がない
ママ振りを着る場合、古い着物のため、染み抜きやサイズ直しなどの作業が必要です。
ただその場合、染みやサイズ直しについての専門的な知識が必要となりますが、お直しについての返事ができなかったり、見積金額をその場で出すことができないお店がたくさんあります。
⑤ 小物コーディネイトで店員が自分の好みを押しつけてくる
小物コーディネイトで一番たいせつな事は、今風にするとか、派手にするとかではなく、お嬢さま本人に「この振袖と小物なら早く着てみたいわ!」と、満足してもらう事です。
しかし、この一番大切なお嬢さまの好みを無視し「こっちはプロなんだから、黙って聞いてれば大丈夫」みたいな上から目線で、一方的に自分のアレンジを押しつけくる店員には「お客様に立場にたち、成人式をより良いものする」という視点が欠けています。
もし、カウセリングもせず、全くこちらの意向を無視したコーディネイトをするお店では、ママ振りの準備のご準備をされない方が良いでしょう。
⑥成人式終了後のお手入れを受付けていない
ママ振りのメリットとして「成人式が終わった後も、卒業式やご友人・ご親戚の結婚式で何度も着る事ができる」という点が挙げられます。
そのため手間はかかりますが、着用後のお手入れはとても重要。
にも関わらず、着用後のお手入れをしてくれないお店は「売りっぱなし」と呼ばれる非常に不親切なお店です。
もし「ママ振りは成人式の1回限り」とお考えなら、必要ありませんが、思い出の晴れ着をこれからも活用されたいのあれば、着用後のメンテナンスをきちんとしてくれるお店を選びましょう。
ママ振り専門店「きものやまなか」
全国でもめずらしいママ振り専門店「きものやまなか」では、年間200枚以上の母親の振袖を甦らせております。
「やまなか」のママ振りサービスについて、詳しくは下のページをご覧下さい。