振袖の袖を切って訪問着に仕立て直す方法と料金
2025年02月21日
振袖の袖丈を短くし訪問着に仕立て直す
きものやまなか店主の山中邦彦です。
振袖は未婚者の着物であるため、結婚すると基本的には着られません。
そのため、結婚後も着られるよう、袖を短くして訪問着へ仕立て直す方が増えています。
今回はその方法や料金と、袖を切らずに訪問着にできるかについて解説します。
振袖を訪問着に直す方法
袖の長さ
袖の丸みの違い
振袖を訪問着に直す方法は、写真のように袖を切って短くし、裁断箇所をきれいに縫い直します。
長さは一般的に約49cm(1尺3寸)にしますが、柄の切れ目や着る方の身長に合わせ、多少長くしても短くしてもかまいません。
±5cm程度でしたら、見た目もほとんど変わりません。
また写真のように、袖の丸みの角度が訪問着にすると変わります。
あと着物の下に着る長襦袢も同じ方法で短くします。
袖丈直しの料金
袖丈直しの料金と納期ですが「きものやまなか」ですと下記のようになります。
袖丈直し料金(税込) | |
---|---|
振袖 | 8,000 円 |
長襦袢 | 8,000 円 |
納期 | 45日 |
こちらは袖を切ってお直しする場合の料金です。 |
振袖の袖を切らずに詰める料金
「袖を切らずに短くすることはできませんか?」というお問い合わせも増えています。
これは最近、ママ振りと呼ばれる「母親の振袖」を着ることがブームとなっており、将来お子様・お孫様にふたたび振袖として着てもらいたいという思いからです。
ただ、10~20cmぐらいを切らずに詰めるなら、手間も費用も上記の方法(8,000円)と同じですが、一般的に振袖の袖の長さは100cm以上あり、それを訪問着の袖の長さ(約50cm)にするとなると、半分以上の生地を袖の内側に縫い込まなければいけません。
その場合、両袖のパーツを外して一から作り直すため、手間と費用が格段にかかります。
さらに、振袖用の長襦袢も切らずに袖を詰める場合は、同様の費用がかかります。
袖を切らずに袖を詰める料金(税込) | |
---|---|
振袖 | 30,000円以上~ |
長襦袢 | 30,000円以上~ |
納期 | 60日以上 |
また、切らずにお直しする方法には、費用と時間がかかること以外に、
- 袖がダブつき重くなる
- 将来もとに戻したときスジ・色ヤケになっている事がある
- 難易度の高い方法のため、やってもらえるお店が少ない
などのデメリットもあります。
袖を切らずにお直しを希望される方は、呉服店や和裁士など専門の方に一度みてもらいましょう。
袖を短くする長所と短所
長所については言うまでもありませんが、結婚してから着ることが出来ない振袖を訪問着としてふたたび着ることができるという点です。
また、あらたに訪問着を購入する必要もないため、費用も抑えることができます。
ただ、次のようなデメリットがあります。
- 色や柄はハデなまま
- いったん切ってしまうと元には戻せない
色や柄はハデな振袖のまま
20~30年前の振袖は今よりも落ち着いた色柄が多く、袖を短くして訪問着として着られる振袖がたくさん販売されていました。
20~30年前の振袖
ちなみに、こちらが典型的な「袖を短くして訪問着になる振袖」です。
今の振袖と比べると柄も少なく、40代になっても着られる落ち着いた色です。
さらに訪問着にすることを見越して、袖を短くしても柄が切れないようデザインされています。
いっぽう最近の振袖はレンタル(貸衣装)が主流となってきました。
そのためメーカー側は20歳の成人式だけを意識し、鮮やかなパステルや原色を使い、豪華で派手な振袖を制作しています。
つまり、結婚後も訪問着として着られるような落ち着いた色や柄の振袖は、ほとんど作られなくなってしまいました。
例えば下のサイトには、最新の振袖が掲載されていますが、色や柄がハデすぎて、袖を短くしたとしても、とても30代・40代では着られないものばかりです。
もし、手持ちの振袖が「すこし派手かな?」と思われたら、呉服店など専門の方に訪問着としても着ることができるデザインか見てもらいましょう。
袖を切ると元には戻せない
もう一つの短所としては、いったん袖を切ってしまうと、再び振袖としては着られなくなります。
そのため将来、お子様にその振袖を着せたいときは、切らずにお直しをするか、そのまま振袖としてとっておいた方が良いでしょう。
振袖を留袖に直すことはできる?
黒留袖
色留袖
あと「振袖を直して留袖にできますか?」という質問もたまにお受けしますが、これは基本的にできません。
なぜなら、黒留袖・色留袖は写真のように、肩や袖など上部に柄がなく、裾や衿の内側に「比翼」と呼ばれる白い布が付いている着物のことを言います。
黒留袖は写真のように地色が黒である必要があり、両胸・背中・袖に合計5つの家紋を入れなければいけません。
おなじく色留袖も落ち着いた色であることが多く、袖や背中に家紋を入れる必要があります。
そのため、袖の長さを短くしても、肩や袖にたくさん柄がある振袖は、留袖として着ることはできません。
また、かりに上部に柄がない振袖だったとしても、ハデな地色を黒留袖・色留袖に染め替え、比翼をつけて仕立て直すには、費用と手間がとてもかかります。(そこそこの留袖が買える位になります)
さらに地色を変えた上で、家紋も入れなければいけませんので、現実的に一般の方におすすめできる方法ではありません。
便利な宅配での袖丈直し
当店でのお直しは、店舗までご来店いただいての「持ち込み限定」となっておりますが、最近はネットからの注文で袖丈や裄直しをしてもらえるお店も増えてきました。
便利な宅配でのお直しを希望される方は、ご利用してみて下さい。
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訪問着販売店きものやまなか
「きものやまなか」では、お着物のサイズ直し以外にも、厳選された訪問着を格安で販売しております。
30代・40代・50代向けの訪問着をお探しの方は、お気軽にご連絡ください。
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