【お宮参りの赤ちゃんの着物】は誰が用意するの?
2018年07月25日
産着は父方・母方どちらで購入するものなのか?
お宮参りの産着専門店「きものやまなか」の店主 山中邦彦です。
さて、皆さまより
「お宮参りの赤ちゃんの産着は、父方・母方どちらで用意するのものなのですか?」
というご質問をよくお受けします。
これについて、まず教科書的な一般論を申し上げると、
「お嫁さまのご実家(母方)にて用意する」
と言われることが全国的に多く、私のお店がある名古屋もかつてはそうでした。
(福井県の一部など、父方が用意する慣習がある地域もあります)
また、冠婚葬祭のマナー本にも、同じような内容が書かれていることが多いです。
では今でも、昔から言われている通り「お宮参りの祝い着」は、お嫁さまのご実家が買うことが多いのでしょうか?
母方が準備するという慣習は形骸化してきている
これについて、日頃より現場で産着を販売させて頂いている、呉服屋の立場から申し上げると「祝い着は母方の実家で用意しなければいけないもの」という考え方や慣習は、昔に比べかなり薄れてきています。
実際「やまなか」では、年間50枚以上の産着を販売しておりますが、購入される割合は、下記のように、母方と父方でほぼ同じ位になってきています。
- 母方(お嫁さま)の実家が購入 約4割
- 父方(ご主人さま)の実家が購入 約4割
- 若ご夫婦が購入 約2割
この点について、全国の呉服店・百貨店に、お宮参りの衣装をおろしているメーカーさんにも聞いてみましたが、関東・関西ともその傾向はみられるそうです。
そのため「どちらの家が用意するものなの?」という質問に対し「母方で準備するものです」とは、なかなか断言しにくい状況になってきました。
では、どちらのお家が産着を買えば良いのか?
「そんなこと言われても、お宮参りのをするには産着が必要だし、私はどうすれば良いの?」
と、思われた方も多いと思います。
ただ、まずはその前に、もっと大きな視点で、お宮参りの現状をお話しをすると、近年ではレンタル(貸衣装)に押され、お祝い着をあらたに購入する割合そのものが、減ってきています。
全体の6~7割はレンタルで、さらに20~30年前に、お父さま・お母さまが使用した産着を着せしたり、ご親戚や友人から借りるケースもあり、新しく掛け着を購入される割合は、全体の2~3割になっています。
さらに、東京や大阪などの都心部になるほど、レンタルの比率が高まり、お宮参りをしないご家庭もかなりいらっしゃいます。
レンタルをしていない当店のような、昔ながらの呉服屋からすれば、さびしい感じもしますが、こればかりは時代の流れですので仕方がありません。
「お宮参りの産着」は買いたい方のお家が買えば良い
ということで、これらの現状をふまえた上で、あらためて「どちらの家で祝い着は用意すれば良いの?」というご質問についての、私なりのお答えですが、まずは購入・レンタル・昔の着物を使用・親戚から借りるなど、どの方法でご準備するかを決めて下さい。
その上で、購入するのではあれば「買いたいと思っている方のお家が買えば良い」です。
というのも、昔はあまり乗り気ではないけど、いちおう「お宮参りの着物は、お嫁さんの実家が用意するもの」となっていたため、慣習に従って、しぶしぶご来店されるお客様もいました。
しかし、今の時代そういったお客様は、ほとんどおられません。
父方・母方に関係なく、より和服に対する意識が高い方のお家の方がご来店され、購入単価も昔より逆に高いのが特徴。
当店でも、8~13万円ぐらいの価格帯が一番よく売れていきます。
ご来店されたお客さまは、みなさん「出来るだけ良い柄の祝い着をお子さま(お孫さま)に着せてあげたい」という一心で、楽しそうにお選びになっていかれます。
また「産着の費用は抑えたい」「和服には興味がない」というお考えの方は、購入よりも安くすむレンタル(貸衣装)を、お選びになる事が増えてきました。
ご注意
ただし、皆さまのお住まいの地域が「お宮参りの着物は〇〇の方のお家が用意するもの」という考え方が、今でもしっかりと根付いているようでしたら、そのしきたりに従って下さい。
とくに地方では、町・村単位でその土地特有の慣習が続いている地域があります。
男の子の産着は どちらの家が買うことが多い?
さて、お宮参りの祝い着を見に来られるのは、父方・母方でだいたい同じぐらいと申し上げましたが、これは男女合わせた平均で「男の子」の場合と「女の子」の場合で、若干違いますので、その傾向をご説明させて頂きます。
まず「男の子」がお生まれになった時ですが、この場合は不思議と、父方のお家がご来店されることが多いです。
とくにそのお子さまが、父方のご長男さまの第一子で、自営業をされている場合は、必ずと言って良いほど、父方のおじい様も一緒にお越しになります。
おそらく、おじい様にとっては、お孫さまが将来そのお家の跡取りになるという事を意識されているのだと思いますが、お選びになる際も、一番熱心にご覧になっていかれます。
また、男の子の祝い着には家紋を5つ入れますが、お生まれになった赤ちゃんが「山田太郎くん」でしたら、通常は「山田家の紋」つまり「父方の家紋」を入れます。
この購入する着物に「自分の家の紋を入れる」という点も、父方が多い理由のひとつです。
そして将来、山田家の中に男の子が生まれれば、家紋が一緒ですので、その着物を再び活用することもできます。
女の子が生まれたら、どちらが買うの?
いっぽう「女の子」の場合は、母方のご家庭がお越しになることが多く、どんな色や柄の着物を購入するかは、おばあ様と若奥様が、主導権を持ってお決めになるケースが多いです。
よく成人式の振袖の下見では、おばあ様が一緒にお越しになる事が多いですが、それと同じ感じでしょうか。
同じ女性ということで、着物選びにも力が入るようです。
また、おじい様やご主人様も一緒にお越しになる事もありますが、
「わしゃ、女の子の事はようわからんから、お前らにまかせた」
みたいなスタンスで、ご覧になっている事が多いです(笑)
以上が、男の子と女の子での違いですが、男の子の場合でも、母方のお家がお越しになる事はよくありますし、その逆も同じようにありますので、あくまでご参考程度にしておいて下さい。
お祝い着を購入する際に気を付けること
さて、この「お宮参りの産着」ですが、購入する際、1点だけ気をつけてほしい事があります。
もし、あなたが「お宮参りの産着」を購入しようと思っていても、ひょっとしたらお相手のお家も、あなたと同様に買う気満々かもしれません。
お宮参りの衣装は、ランドセルと同じように、1人のお子様に1枚しか必要ありませんので、購入する際は、必ずお相手の意向も確認しておきましょう。
その確認をせず、先走って購入してしまうと、あとあと気まずい思いをする事になってしまいます。
そしてもし、ご両家のお気持ちが、同じぐらいのテンションでしたら、お話し合いの上
「今回はこれまでの慣習に従い、母方で準備しましょう」
としておくのが、無難かもしれません。
そしてさらに「もし次回、ちがう性別の赤ちゃんが生まれた時は、そちらでご準備をお願いします」としておけば、ご先方の顔も立ち、バランスが取れるのではないでしょうか。
最近ふえてきた若ご夫婦の来店
あと最後に、最近の傾向を1つ付けくわえますと、若ご夫婦だけでご来店されるお客様も、全体の約2割まで増えてきました。
こちらのお客様の特徴としては、ご夫婦の年齢が30歳以上で経済的余裕もあり、お子さまが第一子の場合です。
かつては、ほとんどの方がご実家に頼っておられましたが「自分の子供の事については自分たちで決める」という意識が、高まってきたからではないでしょうか。
お宮参りの着物をレンタルする場合
いっぽう、最近主流になってきたレンタル(貸衣装)なら、費用はそれ程かかりません。
例えば、楽天などのネットショップなら、小物などもセットになって、3,380円(税込)の格安な価格でレンタルをしています。
また、名古屋市内の貸衣装店でも、5,500円(税込)の費用で、借りることができます。
下のリンクには、楽天のレンタルショップや、名古屋市内の貸衣装店を掲載しておりますので、一度ご参考にしてみてください。
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【名古屋市内の貸衣装店】
これぐらいの価格帯ですと、ご実家に頼らず、若ご夫婦だけで気軽に決めることができますので「父方・母方どちらで用意するのか」という問題にも、ほとんどなりません。
このように最近は、店舗に足を運ばなくても、パソコンやスマホから、手頃な価格でレンタルできるようになりましたので、出産直後、夫婦そろって外出できないご家庭でも、手軽にお祝い着を選んでいただけます。
便利な写真館でのレンタル+撮影+お出かけプラン
また最近は、写真館で産着をレンタルする事もでき、撮影後そのままお宮参りにお出かけできるプランを、用意しているお店も増えています。
衣装のレンタルも記念撮影もでき、そのままお宮参りにも行ける事から、何もかもワンストップで済ませたい方は、フォトスタジオでの「お宮参りプラン」を利用される事を、おススメします。
昔の産着を使用する場合
あと最近の傾向として、お父さま・お母さまが、20~30年前に使用した初着を使用されるお客さまも増えています。
今あるもの活用することで、新たな費用がかからないだけでなく、親子3代に渡り、お宮参りの思い出を共有することができるのも、大きなメリットです。
成人式でも、ママ振りと呼ばれる「母親の振袖」を活用される方が増えているように、昔の着物を使うという方は、これからも増えていくでしょう。
ただその場合、気を付けて頂きたいのは、昔の着物は何十年もタンスの奥に眠っていたため、染みや汚れが付いているが多く、中にはカビや変色になっているケースもあります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、抵抗力も弱く、衛生的な面からみても、昔の初着を使う場合は、必ずクリーニング・染み抜きをしておきましょう。
また、お着物のクリーニングは、お洋服と違い 1~2ヵ月かかります。
染み・カビ・変色が酷い場合は、さらに納期がかかることもありますので、昔のお着物を活用される際は、早めにチェックしておきましょう。
「きものやまなか」お客様紹介
さて、こちらの素敵なお写真は「やまなか」にてお祝い着を購入された、日進市にお住まいの森さまの家族写真です。
最近は、ご夫婦だけでご来店されるお客様が増えていると申し上げましたが、森さまも奥さまとお2人だけでお越しになり、男の子の産着を選んで頂きました。
最初にご来店されたのは、もう何年も前の事ですが、お電話をいただいた時から「竜の柄をお願いします」と伺っておりましたので、私もできる限りの「竜のお祝祝い着」を用意させて頂きました。
ご主人さまは、その頃まだ20代とお若く、奥様はご出産前で、お腹も大きくていらっしゃったのですが、お2人そろって、お生まれになる赤ちゃんのために、一生懸命選んでおられる光景が、今でも忘れられません。
その3年後、森様にはもう1人「男の子」がお生まれになり、2人そろってこの祝い着をご活用いただきました。
上がお兄さまの 郁真(いくま)君で、下が弟さまの 遥真(はるま)君 で、お2人共とっても可愛いですね!
さらに、お兄さまの5歳の七五三では、この着物を袴にあわせ、こんな感じでカッコよくお写真を撮影されました!
小さかったお2人が、ひさしぶりにお会いすると、こんなに大きく成長され、私もビックリです!
購入された場合は、森さまのように七五三でも着ることが出来ますので、ご参考にしてみて下さいね。
それでは今日はこの辺で
お宮参りの産着専門店「きものやまなか」
お宮参りの着物専門店「やまなか」では、厳選された産着を小売価格の50~30%お値打ちに販売しております。
また、お電話・メール・LINEからのご注文も可能です。
男の子産着
98,000円(税込)
138,000円(税込)
110,000円(税込)
138,000円(税込)
98,000円(税込)
128,000円(税込)
88,000円(税込)
128,000円(税込)
女の子産着
128,000円(税込)
128,000円(税込)
118,000円(税込)
158,000円(税込)
128,000円(税込)
128,000円(税込)
110,000円(税込)
90,000円(税込)