お宮参りの赤ちゃんの着物は父方・母方どちらで準備するの?
2024年08月08日
男の子は父方・女の子は母方で買うことが多い
きものやまなか店主の山中邦彦です。
かつて、宮参りの赤ちゃんの着物は「母方の実家で用意する」と言われることが全国的に多かったですが、最近では「男の子は父方」「女の子は母方」が多く、男女平均では父方・母方で同じ割合になってきています。
また実家に頼らず、若ご夫婦が購入されるケースも増えています。
今回は「きものやまなか」のお客様データをもとに、男の子・女の子の着物はどちらの実家が準備するのか、さらにくわしく解説します。
目 次
母方準備の慣習は形骸化してきている
かつてお宮参りの着物は「母方の実家で用意するもの」と言われることが多く「きものやまなか」がある名古屋でも、かつてはそうでした。
しかし最近、この考え方・慣習は昔に比べかなり薄れてきています。
実際、当店では年間60枚以上の産着を販売しておりますが、購入される割合は、父方と母方でほぼ同じ位です。
- 父方の実家が購入 約4割
- 母方の実家が購入 約4割
- 若ご夫婦で購入 約2割
この点について、全国の呉服店・百貨店にお宮参りの衣装をおろしているメーカーさんにも聞いてみましたが、関東・関西ともその傾向はみられるそうです。
そのため「どちらの家が用意するものなの?」という質問に対し「母方で準備するものです」と断言しにくい状況になってきました。
男の子の着物は父方が多い
祝い着を準備するのは、父方・母方で同じぐらいと申し上げましたが、これは男女合わせた平均で、男の子・女の子ですこし違います。
男の子の場合は、父方のお家がご来店されることが多いです。
とくにそのお子さまが、父方のご長男第一子で自営業をされている場合は、必ずと言って良いほど、父方のおじい様も一緒にお越しになります。
おそらく、おじい様にとっては、お孫さまが将来そのお家の跡取りになるという事を意識されているのだと思いますが、お選びになる際も一番熱心にご覧になっていかれます。
また、男の子の祝い着には家紋を5つ入れますが、赤ちゃんのお名前が「山田太郎くん」でしたら、通常は「山田家の紋」つまり「父方の家紋」を入れます。
購入する着物に「自分の家の紋を入れる」という点も、父方が多い理由のひとつです。
そして将来、山田家に男の子が生まれれば、家紋が一緒ですので、ふたたびその着物を活用することができます。
女の子の着物はどちらが買う?
いっぽう女の子の場合は、母方のお家がお越しになることが多く、どんな色や柄の着物を購入するかは、おばあ様と赤ちゃんのママがお決めになるケースが多いです。
また、おじい様・ご主人様も一緒にお越しになりますが「わしゃ女の子の事はようわからんから、お前らにまかせた」みたいな感じでご覧になることが多いです。
以上が男の子・女の子の違いですが、男の子でも母方のお家がお越しになる事はよくありますし、その逆も同じようにありますので、あくまでご参考程度にしておいて下さい。
お宮参りの現状
産着はどちらかの家が準備するのか今の時代とくに決まっていないのなら「結局どうすれば良いの?」と、思われた方も多いと思います。
ただその前に、もっと大きな視点でお宮参りの現状をお話しをすると、近年ではレンタル(貸衣装)に押され、祝い着をあらたに購入する割合そのものが減っています。
全体の5~6割はレンタルで、さらに20~30年前に父母が使用した産着を着せたり、親戚から借りるケースもあり、新しく着物を購入する割合は2~3割になっています。
さらに、東京や大阪などの都心部では、お宮参りをしないご家庭もかなりいらっしゃいます。
レンタルをしていない当店のような昔ながらの呉服屋からすれば、さびしい感じもしますが、時代の流れですので仕方がありません。
結局どちらの家が買えばよい?
ということで、これらの現状をふまえた上で、あらためて「どちらの家で祝い着は用意すれば良いの?」というご質問についての答えですが、まずは購入・レンタル・昔の着物を使用・親戚から借りるなど、どの方法でご準備するかを決めて下さい。
その上で、購入するのではあれば「買いたい方のお家が買えば良い」というのが、私からのアドバイスです。
というのも、昔はあまり乗り気ではないけど、いちおう「産着はお嫁さんの実家で用意するもの」となっていたため、慣習にしたがい、しぶしぶご来店されるお客様もいました。
しかし、今の時代そういったお客さまはほとんどいません。
父方・母方に関係なく、より和服に対する意識が高い方のお家の方がご来店され、購入単価も昔より逆に高いのが特徴。
当店でも、8~13万円ぐらいの価格帯が一番よく売れていきます。
ご来店されたお客さまは、みなさま「できるだけ良い柄の祝い着をお子さま(お孫さま)に着せてあげたい」という一心で、楽しそうにお選びになっていかれます。
また「費用は抑えたい」「和服には興味がない」「1回限りなのにもったいない」というお考えの方は、そもそも購入ではなく、お安くすむレンタルにされます。
ご注意
ただし、皆さまのお住まいの地域が「お宮参りの着物は〇〇の方のお家が用意するもの」という考え方が、今でもしっかりと根付いているようでしたら、そのしきたりに従って下さい。
とくに地方では、町・村単位でその土地特有の慣習が続いている地域があります。
産着を購入するとき気をつけること
さて、お宮参りの産着ですが、購入の際、気をつけてほしい事があります。
もし、あなたが産着を購入しようと思っていても、ひょっとしたらお相手のお家も、あなたと同じように買う気満々かもしれません。
お宮参りの衣装はランドセルと同じように、1人のお子様に1枚しか必要ありませんので、購入する際は必ずお相手の意向も確認しておきましょう。
その確認をせず、先走って購入してしまうと、あとあと気まずい思いをする事になります。
そしてもし、ご両家のお気持ちが同じぐらいのテンションでしたら、お話し合いの上
「今回はこれまでの慣習に従い、母方で準備しましょう」
としておくのが、無難かもしれません。
そして「次回ちがう性別の赤ちゃんが生まれた時は、そちらで準備をお願いします」としておけば、ご先方の顔も立ち、バランスが取れるのではないでしょうか。
ふえてきた若夫婦のご購入
あと最近の傾向を付けくわえますと、若ご夫婦だけでご来店されるお客さまも全体の2割にまで増えてきました。
こちらのお客様の特徴としては、ご夫婦の年齢が30歳以上で経済的余裕もあり、お子さまが第一子の場合です。
かつては、ほとんどの方がご実家に頼っておられましたが「子供のことについては自分たちで決める」という意識が高まってきたからではないでしょうか。
産着は3才・5歳の七五三で使えます
さて産着を購入したら、0歳のお宮参りだけでなく、3歳・5歳の七五三でも使うことができます。
女の子は3歳に被布や帯をあわせて、男の子は5歳で袴に合わせて着ることができます。
また最近は、男の子も3歳で被布をあわせ七五三をする方が増えています。
ただ、7歳の七五三では男女とも産着は使えませんので、お気をつけください。
レンタルにする場合
いっぽう、最近主流になってきたレンタルなら、費用はそれ程かかりません。
例えば、楽天のネットショップなら、小物などもセットになって2,999円(税込)の格安な価格でレンタルができます。
また、名古屋市内の貸衣装店でも、5,500円より借りることができます。
これぐらいの価格帯ですと、実家に頼らず、若ご夫婦だけで決めることができますので、そもそも「父方・母方どちらで用意するのか」という問題にもなりません。
このように最近は、お店に足を運ばなくても、パソコンやスマホから、手頃な価格でレンタルできるようになりましたので、出産直後、外出できないご家庭でも手軽にお祝い着を選んでいただけます。
便利な写真館のレンタル・撮影・お出かけプラン
また最近は、写真館で産着をレンタルする事もでき、記念撮影後、そのまま宮参りにお出かけできるプランもあります。
衣装のレンタル・撮影もでき、お宮参りにも行ける事から、何もかもワンストップで済ませたい方は、フォトスタジオでの「お宮参りプラン」を利用される事をおススメします。
昔の産着を着せる場合
また最近の傾向として、お父さま・お母さまが20~30年前に使用した初着を使用される方も増えています。
今あるもの活用することで、費用がかからないだけでなく、親子で思い出を共有することができるのも大きなメリットです。
成人式でも、ママ振りと呼ばれる「母親の振袖」を活用される方が増えているように、昔の着物を使うという方は、これからも増えていくでしょう。
ただその場合、気をつけて頂きたいのは、昔の着物は何十年もタンスの奥に眠っていたため、染みや汚れが付いているが多く、中にはカビや変色になっているケースもあります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、抵抗力も弱く、衛生的な面からみても、昔の初着を使う場合は、必ずクリーニング・染み抜きをしておきましょう。
また、お着物のクリーニングは、お洋服と違い 1~2ヵ月かかります。
染み・カビ・変色が酷い場合は、さらに時間がかかることもありますので、昔のお着物を活用される際は、早めにチェックしておきましょう。
「きものやまなか」お客様紹介
さて、こちらの素敵なお写真は「やまなか」にてお祝い着を購入された、日進市にお住まいの森さまの家族写真です。
最近は、ご夫婦だけでご来店されるお客様が増えていると申し上げましたが、森さまも奥さまとお2人だけでお越しになり、男の子の産着を選んで頂きました。
最初にご来店されたのは、もう何年も前の事ですが、お電話をいただいた時から「竜の柄をお願いします」と伺っておりましたので、私もできる限りの「竜のお祝祝い着」を用意させて頂きました。
ご主人さまは、その頃まだ20代とお若く、奥様はご出産前で、お腹も大きくていらっしゃったのですが、お2人そろって、お生まれになる赤ちゃんのために、一生懸命選んでおられる光景が、今でも忘れられません。
その3年後、森様にはもう1人「男の子」がお生まれになり、2人そろってこの祝い着をご活用いただきました。
上がお兄さまの 郁真(いくま)君で、下が弟さまの 遥真(はるま)君 で、お2人共とっても可愛いですね!
さらに、お兄さまの5歳の七五三では、この着物を袴にあわせ、こんな感じでカッコよくお写真を撮影されました!
小さかったお2人が、ひさしぶりにお会いすると、こんなに大きく成長され、私もビックリです!
購入された場合は、森さまのように七五三でも着ることが出来ますので、ご参考にしてみて下さいね。
お宮参りの産着専門店「きものやまなか」
お宮参りの着物専門店「やまなか」では、厳選された産着を小売価格の50~30%お値打ちに販売しております。
お電話・LINE・メールからのご注文も可能です。
男の子産着
98,000円(税込)
138,000円(税込)
110,000円(税込)
138,000円(税込)
98,000円(税込)
128,000円(税込)
88,000円(税込)
128,000円(税込)
女の子産着
128,000円(税込)
128,000円(税込)
118,000円(税込)
158,000円(税込)
128,000円(税込)
128,000円(税込)
110,000円(税込)
90,000円(税込)