成人式が終わった後の【振袖のお手入れ】はどうすれば良いの?
2023年01月10日
成人式終了後の振袖のお手入れ方法
さて成人式も終わりましたが、着用後の振袖はどのような状態ですか?
「何もせず、タンスにしまってしまった」
という方がおられたら、今からでも遅くありません。
もう一度タンスの中の着物を確認してみましょう。
今年の名古屋の成人式は、快晴だったのですが、地域によっては、雨や雪で振袖が濡れてしまった方も、いらっしゃるかと思います。
雨や雪は、空気中の不純物をたくさん含んでおり、その時は何ともなくても、時間が経つと、雨ジミとなって浮き出てくることがありますので要注意です。
レンタルではなく、新しい着物を購入したり、お母様の振袖を着用された場合は、次回も気持ちよく着て頂くために、以下の順番で汚れをチェックすることが大切です。
① 着物ハンガーに掛け湿気をとる
まずは着物専用のハンガーに、振袖・長襦袢・帯をそれぞれ掛け、直射日光の当たらない風通しの良い部屋に干して、湿気を取り除きましょう。
着物と長襦袢は、別々のハンガーに掛けた方が良いですが、ハンガーが1つしかない様でしたら、振袖と襦袢を重ねて干しても構いません。
色ヤケを防ぐため、蛍光灯など室内の電気は消しておいて方が良いでしょう。
ご注意
たまに着物ハンガーに干したまま、1週間以上もそのままにしておく方がおられますが、生地のたるみや色ヤケの原因になるので、絶対に止めて下さい。
ハンガーに掛けて干す時間は1~2日で十分です。
② 汚れ等をチェックしましょう
次はお着物や長襦袢についた汚れをチェックしましょう。
一番汚れが付きやすいのは、衿・袖底(袖の一番下)・裾 の3箇所ですので、チェックしてみて下さい。
特に衿元はファンデーションなどで、ほとんどの方が汚されています。
また、若いお嬢様は、お着物を着慣れていないため、脇がほつれていたり、長襦袢のお尻の所がサケていたり、いろいろな箇所が痛んでいる事がありますので、汚れと合わせてチェックしてみて下さい。
脇のほつれ
③ 着物や襦袢をクリーニングに出しましょう
汚れをチェックし、目立った汚れがなければ、そのままタンスにしまって構いません。
しかし、汚れていない様に見えても、私が拝見させて頂くと、必ずどこかに汚れや染みが付いています。
さらに、汗による汚れは着た直後は大丈夫でも、時間が経つと変色となって浮き出てきます。
とくに長襦袢は、着物より汗をよく吸っており、成人式が行われる1月が寒い時期だからといって油断していると、時間がたってから下の写真のように、黄色く浮き出てくるのでご注意下さい。
脇汗の変色
このような汚れや汗の染み抜きは、早く出す方が断然落としやすく、費用も少なくて済みます。
しばらく着るご予定がなければ、着物と長襦袢をセットでクリーニングに出しましょう。
また最近は、どこの振袖ショップでも、振袖を購入した際は「着用後の丸洗い○年間無料」など、何らかのクリーニング特典が付いていますので、そのお着物の事を一番よく知っているお店に出すのが良いでしょう。
ただ、すこし気を付けて頂きたいのは、お着物のクリーニングは洋服と違い、1ヶ月以上の時間が必要で、とくに成人式終了後は、日本中の二十歳のお嬢さまが、振袖をクリーニングに出すため、年間で最も込み合います。
成人式終了後、すぐに着る予定があるようでしたら、次回に間に合わなくなってしまうので気をつけましょう。
とくに多いのが、短大や専門学校に2年間在籍しておられる方の卒業式は、成人式の2か月後となります。
もし、袴姿にお手持ちの振袖を合わせる予定でしたら、成人式が終わったあとすぐにクリーニングに出すか、とくに目立った汚れがない様でしたら、卒業式が終わってからでも良いかもしれません。
ご注意
よく和服の知識がない方が、ネットなどの情報を見て、ベンジンなど染み抜きをされ、さらに酷い状態になって当店に持ち込まれるケースが、たいへん増えています。
もし染み抜きに関して慣れていないのであれば、ご自分でするより、専門の方にお任せる方が間違いありません。
振袖のお手入れに関しては 以上ですが、次に着物のお手入れに関して「よくあるご質問」をまとめてみました。ご参考にしてみて下さい。
長襦袢に付いている半衿は、どうすればいいのですか?
刺繍半衿の汚れ
最近のお客様は、半衿の付け替えをご自分でできる方が少なくなり、外してクリーニングに出してしまうと、また縫い付けなくてはいけないので面倒ですよね。
特に最近の振袖の半襟は、刺繍半襟にされている方が多く、付け替えがさらに大変です。
この半衿については、ほとんどのお店で付けたままでのクリーニングが可能ですので、一度そのお店に確認してみて下さい。
帯もクリーニングに出した方が良いのですか?
帯のクリーニングに関しては、お着物や長襦袢と同じ頻度でクリーニングに出す必要はありません。
ただ、汚れやシワがひどい場合は、一緒に出しておきましょう。
とくに汚れやシワもないようでしたら、陰干しした後、そのままタンスにしまって頂いて大丈夫です。
また振袖用の帯は「変わり結び」をするため、表面の糸がほつれているケースがよくありますので、確認してみて下さい。
多少のほつれなら構いませんが、糸がかなり出てしまっている時は、一緒に直してもらいましょう。
帯の糸のほつれ
お着物のお手入れを もっと楽にするには?
新品をご購入されたり、お母様の着物を着用された方はレンタルと違い、どうしても成人式後のメンテナンスに、手間や費用がかかってきます。
この負担を少しでも減らすため「きものやまなか」では、パールトーンガード加工という撥水加工をおススメしております。

パールトーン加工済みのお着物
この加工は 雨や汚れから大切なお着物を守ってくれる撥水加工のことで、着物はもちろん、帯や長襦袢にもかけることが可能です。
「やまなか」で新しい着物や帯を購入された場合、ほとんどのお客様がこの加工をされます。
また、お母様の振袖や、古い着物・帯でも、状態が良いものは加工する事が可能です。
最初に費用がかかりますが、長い目でみると、メンテナンス費用が少なく済みますし、カビなどを防ぐ効果もありますので、これからも大切にしたいお着物には、ガード加工をかけておきましょう。