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「ママ振り」の意味と特徴

ママ振りとは?

 

ママ振袖の意味

 

ママ振袖(ままふりそで)とは、母親がかつて成人式で着用した振袖のことを言います。

最近は、このママ振りを現代風にアレンジして着る二十歳の女性が増えています。

 

母親が着た思い出の振袖を、新たなスタイルで着こなすことで、家族の歴史や伝統を繋ぐことができ、単に古着としてではなく、大切な思い出をカタチにする特別な着方として注目されています。

 

本記事では、ママ振袖の魅力や選び方、注意点について詳しく解説します。

 

きものやまなか6代目店主 山中邦彦

この記事を書いたひと


きものやまなか6代目店主の山中邦彦です。

お着物のことならお気軽にご相談ください。

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ママ振袖の特徴

ママ振袖のメリット

 

ママ振りのメリット

 

長所


  1. 費用を抑える事ができる。
  2. 友だちの振袖とカブらない。
  3. いったん直してしまえば、成人式以外でも着られる。
  4. あたらしく買うわけではないので、着物の数は増えない。
  5. 現代の振袖と比べ、ママ振りの方が品質は良いことが多い。
  6. 祖母・母・娘3代に渡り思い出を共有できる。

 

ママ振りの長所としては、費用・品質にくわえ「友だちとカブらない」「思い出がよみがえる」という心理的な面も大きな特長です。

ママ振袖のデメリット

短所


  1. 古い着物なので、汚れがついている事が多い。
  2. 親子で体型が違う場合は、サイズを直す必要がある。
  3. 汚れが酷かったりサイズが大きく違う場合は、お直し費用が高額になる。
  4. そのまま着ると古い感じになるので、帯や小物を新しくする必要がある。
  5. 娘さまがママ振りを着たくない場合、この方法は不可。
  6. ママ振りが家にない場合(母親はレンタル・紛失した)この方法は不可。

 

いっぽうママ振りは古い着物のため、染み抜きやサイズ直し等のメンテナンスが必要です。

 

ママ振りのメリット・デメリットについては、下記のページで詳しく解説しています。

 

ママ振袖の長所・短所

ママ振り・購入・レンタルの比較

成人式でのママ振袖の割合

成人式の振袖の購入 レンタル ママ振袖の割合円グラフ

かつて振袖の準備方法は購入がほとんどでしたが、2010年頃よりママ振りが増えはじめ、現在その割合は2割にまでに達しています。

 

振袖の割合(日本マーケティングリサーチ)

 

テレビ愛知「ゆうがたサテライト」

 

テレビ愛知が2020年に新成人におこなったアンケートでは、100人のうち34人が、ママ振り・姉振り・おば振りなど「お下がりの振袖」で成人式を迎えており、レンタルには及びませんが新品の振袖を上回っています。

ママ振袖の費用

ママ振りの費用のイラスト

 

年間200枚以上を取り扱うママ振り専門店「きものやまなか」の集計によると、ママ振りにかかる費用は平均12~15万円となっています。

 

この価格には、クリーニング・サイズ直し・小物や帯のアレンジの費用が含まれます。

ママ振り費用についてより詳しく

ママ振袖アレンジのすすめ方

ママ振袖をお嬢さまに着せるためには、染み抜き・サイズ直し・小物のコーディネートをする必要があります。

①クリーニング・染み抜き

 

振袖の古い変色 ビフォア

ママ振りの汚れ

 

母親の振袖は20年以上前の着物のため、汚れ・変色・カビなどがついていることが多いです。

 

お嬢さまにも気持ちよく着てもらえるよう、和服専門のクリーニング店で見てもらいましょう。

 

ママ振クリーニング 3つのポイント

②サイズ直し

最近のお嬢さまは身長が高く、手足も長いため、親子の身長が違うときは、サイズを直す必要があります。

ママ振袖のサイズ直し

 

具体的には、つぎの4か所を直します。

 

A 裄直し(手の長さの直し)

B 袖丈直し(袖の長さの直し)

C 身丈直し(身長の長さの直し)

D 身巾直し(横幅の直し)

 

このサイズ直しについても、染み抜き同じように専門的な技術が必要ですので、信頼のおけるお店でお願いしましょう。

 

サイズ直しについては、こちらのページをご覧ください。

 

ママ振袖サイズ直しの方法と料金

    ③小物や帯のコーディネート

    黒白赤の絞りのママ振袖コーディネート 事例

    染みを落とし、サイズを直しても、昔のままのスタイルですと古いままのイメージになってしまいます。

     

    そんな時は、小物だけ新しい物に変えてあげると、今どきの振袖と並んでも見劣りしない素敵な晴れ着として甦ります。

     

    こちらのページには、実際に「きものやまなか」にてアレンジした事例が掲載されていますので、ご覧ください。

     

    ママ振袖コーディネート事例

    ママ振り準備はいつから始める?

    ママ振袖の準備を始めた時期 棒グラフ

     

    ママ振りの準備には、染み抜き・サイズ直しなどのメンテナンスで、最長4カ月の時間がかかる事もあり、成人式の1年半~1年前に準備を開始する方が、いちばん多くなっています。

     

    ママ振りの準備時期については、こちらで解説しています。

     

    ママ振り準備はいつから始める?

    専門店での相談

    着物の染み抜きとサイズ直し

    ママ振りのアレンジには、染み抜き・サイズ直しなどの作業で、より専門的なノウハウが必要となります。

     

    そのため、ママ振袖をお嬢さまにお着せする際は、専門店で相談することが大切です。

     

    ママ振袖専門店 きものやまなか

    ママ振袖が増えている理由「7つの社会的背景」

    ママ振リメイクで車をおねだり

    ママ振り・おば振りなどの「お下がりの振袖」が選ばれる理由として、前述のメリット以外にも7つの社会的背景が影響しています。

    ①コストダウンによる品質低下

    近年の振袖は消費者の低価格志向により、コストダウンが図られ、海外製やインクジェット方式などで制作されることが多くなってきました。

     

    その結果として価格は安くなりましたが、加工技術や生地の品質は昔に比べ相対的に低下しています。

     

    いっぽう母親の時代は、ほとんどが国内で制作され、100万以上する高額な晴れ着も大量に販売されていたため、現代の振袖と並んでも見劣りしません。

    ②エコブーム

    高度成長期やバブル景気の終焉と共に、大量消費社会は終わりを告げ「もったいない」というフレーズや、SDGs(エスディージーズ)のコンセプトにも示されているように「今ある物を大切して使う」という省資源化の考え方が、消費者の間で深く根付いています。

     

    とくに和服に関しては、昔に比べ着用機会が少なくなったため、1~2回しか着ていない高額な着物が「タンスの肥やし」として各家庭に眠っています。

     

    そんな中「ママ振り」の活用は、何十年も眠っている着物を活用できる絶好のチャンスであり、環境にも配慮した準備方法となっています。

    ③ナンバーワンからオンリーワンへ

    友だちの振袖が被ってしまったイラスト

    現代の20歳の女性が振袖を選ぶ上でもっとも重要視するのは、色や柄よりも「友だちの振袖とカブるかどうか?」という点です。

     

    一番でなくてもいいし、高価なブランド品でなくても良いので「誰も着ていない私だけの装いで成人式に出席したい」と考える方が増えてきました。

     

    その点「ママ振り」なら、友だちの振袖とカブる可能性はレンタルより低く、小物のアレンジ度も高いため、自分だけの晴れ着としてオンリーワンの装いにすることが可能です。

     

    ママ振りを着る娘様の気持ち

    ④モノからコトへ消費者志向の変化

    現代の消費者は物の所有に価値を見出す「モノ消費」から、商品やサービスの購入で得られる体験に価値を見出す「コト消費」へ変化しています。

     

    ママ振りを活用することで、費用の抑制だけではなく、祖母・母・娘の3世代で当時の体験を共有することで、より思い出深い成人式を迎えることができます。

     

    なかには母親の頃の成人式を懐かしみ、涙を流す方もおられ、まさに体験に価値を見出す典型的な「コト消費」の事例となっています。

     

    成人式の親子3代の家族写真

    ⑤はれのひ騒動の影響 

    振袖詐欺 はれのひ騒動 フライデー掲載記事 はれのひ社長

    「はれのひ騒動」フライデー掲載記事

     

    近年の振袖の準備方法はレンタル(貸衣装)が主流となっており、全体の5~6割を占めているといわれています。

     

    そんな中、2018年1月に発生したはれのひ事件は、これから二十歳を迎える方に大きな衝撃を与えました。

     

    なぜなら、かりに1年前に振袖の契約をしても、そのお店が「はれのひ」のように突然倒産してしまうと、予約した振袖を着ることができず、支払ったお金も戻ってきません。

     

    そんな中、手持ちの着物を活用できるママ振りは、自宅で管理できる安心感からさらに注目を集めるようになり、騒動後は当店でも前年対比15%以上の売上げの伸びを示しました。

    ⑥新型コロナウィルスの影響

    コロナウィルス イラスト

    2020年1月頃から始まった新型コロナウィルスの感染拡大により、翌年の2021年1月に各地で開催予定だった成人式では延期や中止が相次ぎました。

     

    これは成人式のために振袖を準備しても、肝心の着て行く場がなくなってしまうため、これから成人を迎える消費者に「はれのひ」以上の衝撃を与えました。

     

    そのため「もし振袖を購入(レンタル)しても、成人式が中止になったらどうしよう…」という警戒感から、感染状況や式典の開催をギリギリまで見極め、契約を遅らせる消費者が急増しました。

     

    それと同時に購入・レンタルを予定していた方も、比較的費用がかからないママ振りに準備方法を切り替える結果となりました。

    ⑦インフレによる振袖費用の抑制

    名目賃金 実質賃金 消費者物価 インフレ 厚生グラフ 2021~2023年

     

    2022年2月から続くウクライナ戦争・原油高などの影響により、日本でもインフレよる物価高が進んでいますが、実質賃金の伸びはそれを下回っています。

     

    そのため、高額な振袖費用については抑制される傾向にあり、手持ちの振袖を使って費用をおさえることが出来るママ振りは、現代の晴れ着の準備方法として今まで以上に注目されています。

    姉振り・おば振り・ばば振り

    ママ振り以外にも、姉振(姉の振袖)・おば振(伯母の振袖)・ばば振(祖母の振袖)などの「お下がりの振袖」で成人式を迎える方も増えています。

    姉振(あねふり)の特徴

    姉振りとは、娘さまのお姉さまが成人式で着た振袖のことで、ママ振りと比べると、デザインが新しいのが特徴です。

     

    ただ、姉妹でコーディネートの好みが違うときは、すこしだけ小物を変えてあげる必要があります。

     

    また、身長が大きく違ったり、汚れが残っている場合は、サイズ直し・クリーニングが必要になります。

    おば振りの特徴

    「おば振り」とは、娘さまのおば様(母の姉妹・父の姉妹)が、かつて着用した振袖のことで、ママ振りと同じように活用する方が増えています。

     

    とくに、娘さまがママ振りを気に入らない時や、おば様にお子さまがおらず、タンスに着物が眠ったままの時に利用されるケースが多いです。

     

    おば様からしても、自分の振袖を誰かに着てもらえるというのは嬉しいようで、ご相談の際、一緒にご来店されることもよくあります。

     

    ただ、おば振りもママ振りと同じ年代(20~30年前)のものが多く、染み抜き・サイズ直しが必要なケースがほとんどです。

     

    また、おば振りはママ振りとは違って、成人式終了後、返却しなければいけないケース(おば様の娘さまも着る予定など)もあり、その際はサイズ直し等で、あまり手を加えることができない短所があります。

     

    おば振りの事例

    ババ振りの特徴

    さらに「ババ振り」と呼ばれる祖母の振袖で成人式を迎える方もいらっしゃいます。

     

    ババ振りと言っても、娘さまの母親もこの振袖を着ていることが多く、親子3代で思い出を共有できるのが最大の長所です。

     

    ただ、ばば振りは40~50年前のものが多く、染み抜き・サイズ直しでは、より専門的な技術が必要で、状態によってはお直しが出来ないケースもあります。⇒ 84年前の「ひいおばあ様の振袖」

    メディアで取り上げられたママ振袖の話題

    ママ振袖に関するニュースは、これまで多くのテレビ・新聞などのメディアで取り上げられています。

     

    • 中日新聞 成人式のママ振り記事

      中日新聞

      「やまなか」のママ振サービスと中島さまのお写真が紹介されました。

      2023年1月7日

    • ゆうがたサテライト

      「やまなか」のママ振サービスと鈴木さまの振袖が紹介されました。

      2020年1月13日

    • 東海テレビ ニュースONE 成人式ニュース ママ振袖

      ニュースONE

      東海テレビ「ニュースONE」にて、ママ振袖の現状を解説しました。

      2020年1月13日

     

    • 名古屋テレビ_アップ!_ロゴ

      アップ!

      名古屋テレビ「アップ!」で則武さまが密着取材をうけました。

      2020年1月13日

    • ママ振り ヤフー紹介記事

      YAHOO!

      「やまなか」のママ振サービスがヤフートップニュースに掲載されました。

      2020年1月12日

    • 朝日新聞 ママ振り掲載記事 2020年1月9日

      朝日新聞

      「やまなか」のお客様山口さまのお写真が朝日新聞に掲載されました。

      2020年1月9日

     

    • 読売新聞 キャッシュレス スマホ決済記事

      読売新聞

      「やまなか」のスマホ決済ポイント還元導入が読売新聞に掲載されました。

      2019年9月14日

    • TBS_情報7DAYSニュースキャスターロゴ

      TBS

      TBSの情報7daysニュースキャスター・あさチャン・NEWS23にて取り上げられました。

      2019年1月12日

    • ドデスカ!ロゴ画像

      ドデスカ!

      名古屋テレビ「ドデスカ!」で当店のママ振りが放送されました。

      2019年1月14日

       

     

    • フライデーロゴ

      FRIDAY

      「はれのひ騒動」についての店主コメントがフライデーに掲載されました。

      2018年12月20日

    • CBC イッポウ ロゴ

      イッポウ

      CBCテレビにて「やまなか」のママ振サービスが放送されました。

      2017年4月4日

    • 中日新聞

      当店の「ママ振ご相談会」が中日新聞・東京新聞に掲載されました。

      2016年1月11日

     

    • ドデスカ!ロゴ_350

      ドデスカ!

      名古屋テレビ「ドデスカ!」で当店のママ振相談の様子が放送されました。

      2015年1月14日

    • ニュースZERO ママ振袖

      ニュースゼロ

      日本テレビ「ニュースゼロ」消費税の駆込み需要について取材をうけました。

      2014年2月3日

    • 母親の振り袖リメーク御相談会

      東海ラジオ

      東海ラジオ「原光隆ニュースファイル」より取材をうけました。

      2014年1月13日

     

    • 母親の振り袖リメーク御相談会 中日新聞

      中日新聞

      「きものやまなか」の成人式ご相談会が中日新聞に掲載されました。

      2014年1月7日

    • 振袖市場_中日新聞掲載記事

      中日新聞

      消費税増税前の駆込み需要について、中日新聞より取材を受けました。

      2014年1月4日

    • NHKママ振りリメイク取材

      ほっとイブニング

      当店のお客さま岩佐さま・八谷さまご出演いただきテキストを入れてください。

     

     

    「ママ振り」商標登録

    現在「ママ振り」に関連する商標が4つ登録されています。(登録日が早い順)

     

    商標 ママ振り(ままふり)
    登録番号 5847236
    区分 35
    出願人 株式会社すずのき
    出願日 2015年 12月3日
    登録日 2016年 4月28日
    J-PlatPat 商標出願・登録情報

     

     

    商標 ママ振リメイク(ままふりりめいく)
    登録番号 5869512
    区分 37・40
    出願人 合資会社山中商店(株式会社きものやまなか)
    出願日 2016年 2月26日
    登録日 2016年 7月29日
    J-PlatPat 商標出願・登録情報
    HP きものやまなかウェブサイト

     

     

    商標 さが美のママ振袖(さがみのままふりそで)
    登録番号 5935295
    区分 35・40
    出願人 株式会社さが美
    出願日 2016年 9月21日
    登録日 2017年 3月24日
    J-PlatPat 商標出願・登録情報

     

     

    商標 ママ振袖(ままふりそで)
    登録番号 5946050
    区分 35
    出願人 株式会社さが美
    出願日 2016年 11月18日
    登録日 2017年 5月12日
    J-PlatPat

    商標出願・登録情報

     

    ママ振り専門店きものやまなか

    ママ振袖専門店きものやまなか

    「きものやまなか」は全国でもめずらしいママ振袖の専門店です。

     

    創業162年の技術で年間200枚以上を甦らせておりますので、お気軽にご相談ください。

     

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