2023年【令和5年】成人式の特色は?
2022年12月28日
2023年 成人式・振袖の特徴とトレンド
名古屋の呉服店「きものやまなか」店主の山中邦彦です。
本日は、間もなく開催される2023年【令和5年】の成人式と振袖についての特色・トレンドをまとめてみました。
18歳成人で「成人式」から「はたちの会」へ
2023年の成人式から変更される最も分かりやす特徴は、地方自治体が主催する式典の名称変更です。
「きものやまなか」のお店がある、愛知県や名古屋市の自治体でも式典の名称が、2022年までの「成人式」「成人を祝う会」から「はたちの会」「二十歳を祝う会」などの名称に変更されました。
これは、2022年4月の民法の改正により、成人年齢が20歳から18歳へ引き下げられたことが影響しております。
式典の対象年齢は、全国的にほとんどの自治体(三重県 伊賀市・北海道 別海町など除く)で20歳のままですが、民法上は18歳で成人とみなされるため、式典のメインキーワードが「成人」から「二十歳(はたち)」へ置き換わったかたちです。
ただ式典の内容は、どこの自治体でも昨年までの「成人式」とそれ程かわらない見通しです。
ウィズコロナ 成人式
今年で3年目となるコロナ禍での成人式ですが、昨年同様、
- マスクの着用
- 密をさける座席配置
- 式典時間の短縮
- 大規模会場での分散開催(2部制など)
- 式終了後の飲み会の自粛要請
などのコロナ対策は、おおくの自治体でおこなわれる予定です。
ただ、全国的にも新型コロナに対する政府の規制は、徐々に緩和されてきており、2021年・2022年に多くの自治体で実施されたような式典の中止・延期は、かりに行われたとしても限定的になると思います。
この業界にたずさわる者として、さらに1年先の2024年は感染もおさまり、マスクをしなくても良い、コロナ前のような式典が開催される事を願っております。
ママ振袖が人気
かつて、成人式の振袖をご準備する方法は、買うか(購入)借りるか(レンタル)の2択でしたが、ここ数年でママ振袖と呼ばれる母親の振袖で成人式を迎えるのがブームとなっております。
理由としては、
- お値打ちに済む
- 友達の振袖とカブりにくい
- 20~30年前の振袖は品質が良い
- アレンジすれば成人式以外でも着ることができる
- 親子3代で思い出を共有できる
などのメリットがあるからです。
それに加え、2018年1月に発生したはれのひ騒動や、コロナによる成人式の中止・延期などへの不安から、手持ちの着物を活用できるママ振袖は、さらに注目をあつめました。
また、政府が推進し、今年よく耳にするようになったキーワード「SDGs」(エスディージーズ)のコンセプトに「持続可能な生産と消費を目指した循環型社会をつくりあげる」があります。
これは「今ある資源と大切に使い、環境にも配慮しましょう」という考え方ですが、このようなコンセプトにも、ママ振りの活用はマッチしているのではないでしょうか。
円安・インフレの振袖への影響
ウクライナ戦争による原油価格の高騰・インフレ・円安などの影響はあるのでしょうか?
結論から申し上げると、われわれ振袖を取り扱う業者の仕入れ価格には、大きな影響を与えています。
なぜなら、振袖や帯のおもな素材は、いまでも絹製品が主流ですが、和服に使用される絹の素材は、現在ほとんどが輸入に頼っており、円安の影響を大きくうけます。(もちろん、ポリエステルなどの化学繊維も同様に影響をうけます)
とくに、長襦袢や胴裏(着物の裏地)などの絹製品は、今年に入ってから約10~20%も値上がりしました。
さらに、今年10月に1ドル150円をつけた影響からか、2023年1月より多くメーカー・加工業者で追加の値上げが予定されています。
このように仕入価格は上昇しておりますが、他の業界と同様、コストが増えた分をそのまま価格に転嫁できないため、振袖業界にとって行き過ぎた円安やインフレは、あまり好ましい状況ではありません。
このままの状態が続くと、呉服業界全体にも悪影響を与えそうです。
いっぽうで消費者の視点からすると、振袖の準備は早い方で2年以上前に、平均的な方でも1年~半年前にはご準備を済ませているため、インフレ・円安の本格な影響が出始めるのは、2024年以降に成人式をお迎えになる方からだと思います。
ただ、成人式の振袖は食料品・日用品のように、継続して購入する商品ではないため、一般の消費者が値上がりを肌で感じるようになるまでは至らないかもしれません。
くすみカラーの流行
さて振袖の流行色ですが、今年はベージュ・グレーなどの「くすみ系」と呼ばれる渋めの色合いが人気でした。
振袖のベース色はもちろんのこと、帯や、帯揚げ・帯締めなどの小物にも「くすみカラー」が人気です。
また、お嬢さまの希望として「友達とカブりたくない」というご要望は、例年通り多かったのですが、いっぽうで、あまり目立ちたくない・地味な感じのコーディネイトを希望されるお嬢様も目立ってきています。
かつては、一生に一度だから「どの友達より派手に目立ちたい」と希望される方が多かったのですが、時代の流れでしょうか、お嬢さまの好みも変化してきているようです。
番外編「名古屋の成人式」の特徴
さて番外編として、名古屋の成人式の特色もお話ししたいと思います。
名古屋では振袖会が成人式!?
これは2023年に限ったことではなく、昔からの慣習ですが、名古屋にある淑徳・金城・椙山・南山・聖霊などの私立系の中高一貫校では、20歳になった卒業生を対象に、1月3日・4日などの日程で「振袖会」「はたちの会」と呼ばれる同窓会が開催されます。(会の名称は学校により様々です)
場所もマリオットホテル・名古屋観光ホテルなど、名古屋を代表する有名ホテルで行われ、出席者のほとんどが振袖姿の女性のため、地方自治体の式典以上に華やかな雰囲気につつまれます。
もちろん「荒れる成人式」のニュースで報道されるような、お酒を呑んで暴れたり、肌を露出した花魁(おいらん)風の新成人は皆無で、名古屋を代表する女子校らしく、清楚で美しい晴れ着すがたのお嬢様ばかりです。
さらに式終了後はドレスに着替え、2次会で久し振りに再会した友だちと夜遅くまで楽しい時間を過ごされます。
(ここ数年はコロナの影響で、大規模な2次会は自粛されているようです)
また、この同窓会にご出席される方の多くが、地方自治体の式典には出席されません。
なぜなら、小中高の間、私立の学校に通われた方は、公立の小学校・中学校単位で開催される地方自治体の式典に出席しても、知り合いがほとんどいないからです。
つまり、同窓会に出席する方は、このイベントを「成人式」ととらえ、これに合わせて振袖などの晴れ着をご準備されるのです。
名古屋では、この振袖会に対する意識がとても高く、当店に振袖のご相談でお越しになる約1/3が、いずれかの学校の同窓会に出席する予定のお客さまです。
この点からわかる傾向として、私立・公立とも「成人式」というイベントは「同窓会」としての要素が、かなり強くなってきています。
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きものやまなか メディア掲載実績
「きものやまなか」の取り組みは、多くのテレビ・新聞で取り上げられています。
NHK「ほっとイブニング」
2013年1月7日(月)
「やまなか」にてリメイクのお手伝いをさせて頂いた、岩佐さま・八谷さまに振袖すがたで出演していただき、母親の振袖を着る方が増えている現状を、説明させて頂きました。
この放送は、愛知・岐阜・三重の3県で約8分間、生中継されております。
日本テレビ「ニュースZERO」
2014年2月3日
消費税の5%から8%へ増税にともなう「成人式の駆け込み需要」の話題で、人気アイドルグループ嵐の櫻井翔さんが担当する「イチメン!」のコーナーで「やまなか」を取り上げて頂きました。
この時期は、消費税が上がる前にということで、大勢のお客さまがお越しになりました。
名古屋テレビ「ドデスカ!」
2015年1月14日
「ドデスカ!」の全力リサーチのコーナーで、今どきの成人式の傾向として、ママ振リメイクをされる方が増えてきている現状を、ご予算と合わせて説明させて頂きました。
実際に「やまなか」に、ママ振りのご相談でお越しになられた、伊谷さまと飼沼さまのコーディネイトの模様も放送されています。
TBS「情報7daysニュースキャスター」
2019年1月12日
2019年1月12日放送の情報7daysニュースキャスターと、1月14日放送あさチャン・NEWS23のTBSの3番組にて、当店のママ振りへの取り組みが放送されました。
この放送では当店のお客さま伊佐地さまにご出演いただいております。
読売新聞・ゆうがたサテライト・Yahoo!ニュース
2020年1月12日
「きものやまなか」のママ振りサービスが、2020年1月12日の読売新聞に掲載され、さらにその時の模様が、翌日1月13日のテレビ愛知「ゆうがたサテライト」の番組内でも放送されました。
読売新聞の記事は「Yahoo!トップニュース」にも転載されています。