2024年【令和6年】成人式・二十歳の集いの特色は?
2024年01月15日
2024年 成人式・振袖の特徴とトレンド
名古屋市の呉服店「きものやまなか」店主の山中邦彦です。
本日は先日開催された2024年(令和6年)の成人式と振袖についての特色・トレンドをまとめてみました。
18歳成人で「成人式」から「二十歳の集い」へ
これは昨年からの特徴ですが、2022年4月の民法の改正で成人年齢が20歳から18歳へ引き下げられ、多くの自治体で式典の名称が「成人式」「成人を祝う会」から「はたちの集い」「二十歳を祝う会」などに変更されました。
対象年齢はほとんどの自治体で20歳のままですが、民法上は18歳で成人とみなされるため、式典のメインキーワードが「成人」から「二十歳(はたち)」になっています。
ただ式典の内容は、どの自治体でもこれまでの成人式と変わらないようです。
マスク姿のない成人式
昨年の成人式までは、コロナの影響により
- マスクの着用
- 密をさける座席配置
- 式典時間の短縮
- 大規模会場での分散開催(2部制など)
- 式終了後の飲み会の自粛要請
などのコロナ対策が行われていましたが、2024年1月の式典ではマスク姿は少なく、コロナ前の成人式に戻りつつあります。
呉服屋としては、マスクがない笑顔あふれるこれまでの式典に戻ったことは嬉しい限りです。
ママ振袖が人気
かつて、成人式の振袖をご準備する方法は、購入・レンタルの2択でしたが、ここ数年でママ振袖と呼ばれる「母親の振袖」で成人式を迎えるのがブームとなっております。
ママ振りが増えている理由としては、
- お値打ちに済む
- 友達の振袖とカブりにくい
- 20~30年前の振袖は品質が良い
- アレンジすれば成人式以外でも着ることができる
- 親子3代で思い出を共有できる
などのメリットがあるからです。
それに加え、2018年1月に発生したはれのひ騒動や、コロナによる成人式の中止・延期などへの不安から、手持ちの着物を活用できるママ振袖は、さらに注目をあつめました。
また、政府が推進し、今年よく耳にするようになったキーワード「SDGs」(エスディージーズ)のコンセプトに「持続可能な生産と消費を目指した循環型社会をつくりあげる」があります。
これは「今ある資源と大切に使い、環境にも配慮しましょう」という考え方ですが、このようなコンセプトにも、ママ振りの活用はマッチしているのではないでしょうか。
円安・インフレの振袖への影響
ウクライナ戦争による原油価格の高騰・インフレ・円安などの影響はあるのでしょうか?
結論から申し上げると、われわれ振袖を取り扱う業者の仕入れ価格には大きな影響を与えています。
なぜなら、振袖や帯のおもな素材は今でも絹製品が主流ですが、和服に使用される絹の素材は現在ほとんどが輸入に頼っており、円安の影響を大きくうけます。(ポリエステルなどの化学繊維も同様に影響をうけます)
とくに長襦袢や胴裏(着物の裏地)などの絹製品は、10~20%も値上がりしました。
さらに、昨年1ドル151円をつけた影響からか、多くメーカー・加工業者で追加の値上げも予定されています。
このように仕入価格は上昇しておりますが、他の業界と同様、コストが増えた分をそのまま価格に転嫁できないため、振袖業界にとって行き過ぎた円安やインフレは、あまり好ましい状況ではありません。
このままの状態が続くと、呉服業界全体にも悪影響を与えそうです。
いっぽう消費者の立場からすると、振袖は食料品のように毎日購入する商品ではないため、値上がりを肌で感じることは少ないかもしれません。
くすみカラーの流行
さて振袖の流行色ですが、今年はベージュ・グレーなどの「くすみ系」と呼ばれる渋めの色合いが人気でした。
振袖のベース色はもちろんのこと、袋帯・帯揚げ・帯締めなどにも「くすみカラー」が人気です。
また、お嬢さまの希望として「友達とカブりたくない」というご要望は、例年通り多かったのですが、いっぽうで目立ちたくない・地味な感じのコーディネイトを希望されるお嬢さまも目立ってきています。
かつては一生に一度だから「どの友達より派手に目立ちたい」と希望される方が多かったのですが、時代の流れでしょうか、お嬢さまの好みも変化してきているようです。
番外編「名古屋の成人式」の特徴
さて番外編として、名古屋の成人式の特色もお話ししたいと思います。
名古屋では振袖会が成人式?
これは2024年に限ったことではなく、昔からの慣習ですが、名古屋にある淑徳・金城・椙山・南山・聖霊などの私立系の中高一貫校では、20歳になった卒業生を対象に、1月3日・4日などの日程で「振袖会」「はたちの会」と呼ばれる同窓会が開催されます。(会の名称は学校によって違います)
場所もマリオットホテル・名古屋観光ホテルなど、名古屋を代表する有名ホテルで行われ、出席者のほとんどが振袖姿の女性のため、地方自治体の式典以上に華やかな雰囲気につつまれます。
もちろん「荒れる成人式」のニュースで報道されるような、お酒を呑んで暴れたり、肌を露出した花魁(おいらん)風の新成人は皆無で、名古屋を代表する女子校らしく、清楚で美しい晴れ着すがたのお嬢さまばかり。
さらに式終了後はドレスに着替え、2次会で久し振りに再会した友だちと夜遅くまで楽しい時間を過ごします。
また、この同窓会に出席される方の多くが、地方自治体の式典には出席されません。
なぜなら、私立の学校に通われた方は、公立の小学校・中学校単位で開催される地方自治体の式典に出席しても友人がほとんどいないからです。
つまり、同窓会に出席する方は、このイベントを「成人式」ととらえ、これにあわせて振袖などの晴れ着をご準備されます。
名古屋ではこの振袖会に対する意識がとても高く、当店に振袖のご相談でお越しになる約1/3が、いずれかの学校の同窓会に出席する予定のお客さまです。
この点からわかる傾向として、私立・公立とも「成人式」というイベントは「同窓会」としての要素が、かなり強くなってきています。
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きものやまなか メディア掲載実績
「きものやまなか」の取り組みは、多くのテレビ・新聞で取り上げられています。
NHK「ほっとイブニング」
2013年1月7日(月)
「やまなか」にてリメイクのお手伝いをさせて頂いた、岩佐さま・八谷さまに振袖すがたで出演していただき、母親の振袖を着る方が増えている現状を、説明させて頂きました。
この放送は、愛知・岐阜・三重の3県で約8分間、生中継されております。
日本テレビ「ニュースZERO」
2014年2月3日
消費税の5%から8%へ増税にともなう「成人式の駆け込み需要」の話題で、人気アイドルグループ嵐の櫻井翔さんが担当する「イチメン!」のコーナーで「やまなか」を取り上げて頂きました。
この時期は、消費税が上がる前にということで、大勢のお客さまがお越しになりました。
名古屋テレビ「ドデスカ!」
2015年1月14日
「ドデスカ!」の全力リサーチのコーナーで、今どきの成人式の傾向として、ママ振リメイクをされる方が増えてきている現状を、ご予算と合わせて説明させて頂きました。
実際に「やまなか」に、ママ振りのご相談でお越しになられた、伊谷さまと飼沼さまのコーディネイトの模様も放送されています。
TBS「情報7daysニュースキャスター」
2019年1月12日
2019年1月12日放送の情報7daysニュースキャスターと、1月14日放送あさチャン・NEWS23のTBSの3番組にて、当店のママ振りへの取り組みが放送されました。
この放送では当店のお客さま伊佐地さまにご出演いただいております。
読売新聞・ゆうがたサテライト・Yahoo!ニュース
2020年1月12日
「きものやまなか」のママ振りサービスが、2020年1月12日の読売新聞に掲載され、さらにその時の模様が、翌日1月13日のテレビ愛知「ゆうがたサテライト」の番組内でも放送されました。
読売新聞の記事は「Yahoo!トップニュース」にも転載されています。