ママ振り準備はいつから?失敗しない7ステップ
2024年10月26日
ママ振り準備時期は1年半~1年前から
きものやまなか店主の山中邦彦です。
当店では年間200名以上の成人式のお手伝いをしておりますが、ママ振袖の準備は1年半~1年前に始めるお客様がいちばん多くなっています。
早めに準備をする理由としては、ママ振りは古い着物のため、染み抜き・サイズ直しなどのメンテナンスに下記の時間がかかります。
さらに最近は「前撮り」と言って、記念写真を成人式当日ではなく、前もって撮る方が増えているのも理由のひとつです。
今回は、このママ振りの準備方法について解説します。
作業内容 | 期間 |
---|---|
丸洗い | 2ヶ月 |
丸洗い + しみ抜き | 3ヶ月 |
部分サイズ直し | 2ヶ月 |
仕立て直し | 4ヶ月 |
ママ振り準備のすすめ方
成人式でママ振袖を着る方は、次の7ステップで準備を進めていきましょう。
①ママ振りの状態を見てみよう
ママ振りを活用する際、まず一番最初にすることは「状態の確認」です。
ただ、カンタンなように見えて、この第一歩をなかなか踏み出せないお母さまが大勢いらっしゃいます。
理由としては、
- ママ振りを実家に保管している。
- 着物をたためないので、広げて見ることが出来ない。
- 和服のことはよく分からないので、何となく先延ばしになってしまう。
などです。
ただ、ママ振りの状態がよくない場合、染み抜き・サイズ直しで、3~4ヵ月の時間がかかるケースもあります。
さらに、状態がひどくお直しが出来ないこともありますし、帯や長襦袢を紛失された方もいらっしゃいます。(確認するまで、紛失に気づいていない方がほとんどです)
もし、ママ振りを使えない事がわかれば、購入やレンタルなど、他の準備方法に早めにとりかかる事ができます。
普段、和服にふれることがないお母さまにとって、すこし面倒な作業かもしれませんが、次の2点だけでも良いので、早めに確認しておきましょう。
- シミや汚れがないか?
- 振袖・帯・長襦袢・小物はそろっているか?
ママ振りを着るに必要な物
- 振袖
- 袋帯
- 長襦袢(半衿付)
- 帯あげ
- 帯締め
- 重ね衿
- 草履
- バック
- 髪飾り
- ショール
- 和装肌着
- コーリンベルト
- 衿芯
- 伊達じめ2本
- 腰紐 5~6本
- 三重仮紐
- 帯枕
- 前板
- 後板
- 足袋
②お嬢さまにママ振りの印象を聞いてみよう
さて、作業にとりかかる前に、もう1点確認したいことがあります。
それは「お嬢さまの好み」です。
なぜなら、お母さまがママ振りを着てもらいたいと思っていても、お嬢さまの気持ちを無視して着せることは出来ません。
時間があるときで良いので、タンスの中のママ振りを、お嬢さまに見てもらいましょう。
着物が手元にないときは、お母さまの当時の写真を見てもらうと、雰囲気がお分かりいただけると思います。
お母さまのお写真
ただ、かりにママ振りを気に入ってもらえなかったとしても、ご心配はいりません。
デザインは古くても、プロのコーディネイターにアレンジしてもらえば、お嬢さま好みのスタイルに生まれ変わります。
③汚れの確認
さて、③からは実際の作業に移ります。
まず最初にチェックするのは、シミや変色です。
振袖の染み
古い着物はお手入れしたつもりでも、時間がたつと、汚れが浮き出てくることがあります。
せっかくの晴れ着ですので、お嬢さまにもキレイな状態で、気持ちよく着てもらいたいですよね。
汚れが落ちるか、料金等については、一般の方では判断が難しいので、専門の方にみてもらう必要があります。
洋服のクリーニング店でも、和服のしみ抜きを取り扱っているお店はありますが、ママ振りのような古い着物は、当店のようなママ振り専門店で見てもらいましょう。
④サイズを確認しましょう
次はサイズ直しです。
最近のお嬢さまは、身長も高く、手足も長いため、親子の身長が同じでもサイズ直しが必要なケースがでてきます。
サイズを直すのは、おもに次の4か所。
A 裄直し(手の長さ)
B 袖丈直し(袖の長さ)
C 身丈直し(身長の長さ)
D 身幅(着物の横はば)
このサイズ直しについても、しみ抜きと同様、一般の方では判断が難しいと思います。
また、サイズを正確に測るには、振袖をお嬢さまに着せてみないとわかりません。
とくに、お嬢さまが遠方の大学で地元にいない場合は、早めにスケージュールを調整し、帰省したタイミングにあわせ、専門店でみてもらいましょう。
早めにお願いすれば、身長が10cm以上ちがうケースでもお直しが可能です。
汚れを落とし、サイズを直したとしても、そのまま着せたのでは、古いままのイメージになってしまいます。
とくに、娘さまがママ振りを気に入っていないケースでは、小物だけでもお嬢さま好みにしてあげましょう。
新しくすると雰囲気が変わるのは、次の6点です。
- 帯あげ
- 帯じめ
- 重ね衿
- 刺繍半衿
- 髪飾り
- バック
さらに、小物だけでなく、帯も新しくすると、より豪華で華やかなに振袖姿になります。
帯や小物のコーディネートについては、ご予算との兼ね合いもありますので、センス良く、良心的な価格でアレンジしてもえるお店を探すことが大切です。
下記のページには「やまなか」のコーディネート事例を20名以上掲載していますので、どうぞご覧ください。
⑥前撮りをしよう
お母さまの時代は写真館で撮影しない方も多く、かりに撮影しても、2~3枚の方が多かったと思います。
しかし最近は、たくさんのポーズで何十枚も撮影し、まるでタレントさんの写真集のような豪華なアルバムにされる方が増えてきました。
そのため、記念撮影は成人式当日ではなく、事前にする方がほとんどです。
中には、家族やペットと一緒に撮影される方もいらっしゃいます。
とくに、ママ振りのお客さまは家族写真の割合が高く、おじい様・おばあ様が撮影に参加されることもあります。
前撮りには下記のようなメリットがあり、とても良い思い出になりますので、①~⑤の準備をすませた方は、早めに撮影もしておきましょう。
当店のインスタグラムにも、お客さまの写真をのせていますので、ぜひご覧ください。
前撮りのメリット
- 時間をかけ丁寧に着付・ヘアセット・撮影をしてもらえる
- 家族写真・ペットフォトを撮ることができる
- 成人式当日に余裕を持って行動できる
- 成人式本番前に振袖を着る予行練習ができる
振袖は成人式以外にも、卒業式・結婚式・結納など、お嬢さまが結婚されるまで、たくさんの着用機会があります。
成人式以外の着用機会
- 卒業式
- 結納・顔合わせ
- 家族・親戚・友人の結婚式
- お色直しの衣装
- パーティー・謝恩会
- 茶道(初釜)華道(作品展)琴(発表会)などのお稽古ごと
ママ振りを袴に合わせて
成人式
卒業式
「成人式以外でも着ることができる」という点が、ママ振りのメリットですので、成人式が終わったあとは、早めにクリーニングに出しておきましょう。
時間がたつと、汚れは落としにくくなります。
そして、きれいに保管しておけば、将来お嬢さまのお子さまにも着てもらえるかもしれません。
状態さえ良ければ、何十年たっても着ることができるのが、和服の良いところですね。
以上が、ママ振りの準備についての解説です。
その他ママ振りについてご質問などございましたら、お気軽に「やまなか」までご連絡ください。
この記事をご覧になった皆さまが、思い出のママ振りでステキな成人式をお迎えになることを願っております。
ママ振り専門店「きものやまなか」
「きものやまなか」は全国でもめずらしいママ振り専門店として、年間200枚以上の振袖を甦らせております。
ママ振り染み抜き・サイズ直しなどお困りなことがございましたら、お気軽にご相談ください。
「やまなか」のママ振りサービスについて、詳しくは下のページをご覧下さい。